8月10日に、レゴが初代プレイステーションを作るという噂を記事にしました。あのときカタログにあったのは、名前の空いた番号と、1,911ピース・159.99ドル・バーコードという数字だけでした。
8月24日、ドイツのStoneWarsが記事を更新し、噂が中身まで降りてきました。そして日本の読者にとっては、その中身がなかなか他人事ではありません。折りたたみ式のジオラマ2つが、グランツーリスモとサルゲッチュだというのです。
ただ、その組み合わせを見た瞬間に引っかかる点がひとつあります。噂どおりなら、このセットのコントローラーではサルゲッチュは遊べません。
この記事の製品情報はすべて未発表の噂です。レゴグループからの発表はなく、噂の出どころはSNS上の情報アカウント(lego_minecraft_goat ほか)とされています。仕様・価格・発売時期は変わるか、製品自体が存在しない可能性もあります。カタログの登録状況と日本の価格・在庫は2026年8月25日時点の実測です。
今回あらたに出てきたもの
StoneWarsの更新分をまとめると、こうなります。
| 項目 | 噂の内容 |
|---|---|
| ジオラマ | 折りたたみ式の小さなジオラマ。グランツーリスモとサルゲッチュ(Ape Escape) |
| コントローラー | 組み立て式で付属。アナログスティックなしの初期型 |
| 本体 | ほぼ実寸。幅26cm、CD蓋を開けた高さ17cm |
| 筐体 | イースターエッグと組み立て技法が詰まっているとされる |
| 発売日 | 2026年10月1日(3月時点の噂は12月だった) |
| 購入特典 | Astro Bot 40899 |
実機のプレイステーション(SCPH-1000)は幅270mm。噂の26cmは、ほぼそのままの大きさということになります。
サルゲッチュは、世界初の「デュアルショック専用」ソフトだった
ここが今回いちばん面白いところです。
『サルゲッチュ』は1999年6月24日にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された、世界で初めて「デュアルショック専用」を打ち出したソフトです(ファミ通)。アナログスティックが2本ないと起動できない ── ピポサルをアミで捕まえるあの操作は、右スティックでアミを振ることが前提に設計されていました。
一方、今回の噂が言うレゴのコントローラーはアナログスティックのない初期型です。1994年の本体に同梱されていた、あの角張ったコントローラーのほうですね。
つまり噂どおりの構成なら、箱の中で、ジオラマになったゲームと、組み立てたコントローラーが噛み合っていないことになります。もちろん飾るためのモデルなので実害はありませんし、初代の本体を再現するなら初期型のコントローラーが正しい。ただ、日本のプレイヤーからすれば「サルゲッチュを入れるなら、そのコントローラーじゃないんだよな」と言いたくなる組み合わせではあります。
もう1本のグランツーリスモは1997年12月23日発売。シリーズの世界累計販売本数は2025年6月に1億本を突破しています(公式発表)。ジオラマに選ばれた2本は、どちらもソニー自身が日本で立ち上げたシリーズです。

カタログのほうは、15日間まったく動いていない
噂が具体化する一方で、確かめられる側は静かなままでした。8月10日の記事で作った表と、今日の表を並べます。
| 項目 | 8月10日 | 8月25日 |
|---|---|---|
| 名前 | {?}(未登録) | {?}(未登録) |
| テーマ | TBD | TBD |
| ピース数 | 1,911 | 1,911 |
| 参考価格 | $159.99 / €159.99 | $159.99 / €159.99 |
| 1ピースあたり | 8.4セント | 8.4セント |
| 対象年齢 | 18+ | 18+ |
| バーコード | EAN 5702018068281 | EAN 5702018068281 |
1文字も変わっていません。 特典とされる 40899 も、8月10日と同じく番号と年(2026)以外は空欄のままでした。10月1日発売が本当なら、あと1か月あまりです。
前回と同じ線を引いておきます。BrimagaのカタログはBricksetを取り込み元のひとつにしているので、自社データが噂と一致することは独立した裏付けにはなりません。同じ数字を2か所で見ているだけです。今日確かめられたのは「カタログ運用側の登録が15日間動いていない」という一点だけです。
4日前に書いたXboxと、構造がそっくりだった
8月21日にマテルの初代Xbox(3,509ピース)を記事にしました。あの記事は「マイクロソフトの機械は名前も価格も出て予約が始まっているのに、ソニーの機械は空欄の番号のままだ」という並びで終わっています。今回の噂を足すと、中身の設計まで似ていることが分かります。
| マテル 初代Xbox(確定) | レゴ 72306(噂) | |
|---|---|---|
| スケール | 1:1 | ほぼ実寸(幅26cm) |
| ゲームのジオラマ | 3本 | 2本 |
| コントローラー | 「The Duke」組み立て式 | 組み立て式・アナログなし |
| ピース数 | 3,509 | 1,911 |
| 米国定価 | $329.99 | $159.99(噂) |
| 1ピースあたり | 9.4セント | 8.4セント |
| 発売 | 10月(直販は10月16日までに発送) | 10月1日(噂) |
同じ10月に、同じ「実寸のゲーム機+ゲームのジオラマ+組み立て式コントローラー」という設計の商品が、別々の会社から出ようとしていることになります。
もうひとつ、並べて初めて見えることがあります。Xboxのジオラマ3本(Halo/The Elder Scrolls III: Morrowind/Psychonauts)はすべてアメリカのスタジオの作品で、噂のPS1のジオラマ2本はどちらも日本のスタジオの作品です。 それぞれの機械が本国で何を代表していたか、という違いがそのまま出ています。

レゴのレトロゲーム機路線に置くと、どこに座るか
Brimagaが日本の公式ストアで8月25日に測った、この路線の現在地です。
| セット | 年 | ピース | 米国定価 | 日本価格 | 8月25日の表示 | 1ピースあたり |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 71374 ニンテンドー エンターテインメント システム | 2020 | 2,646 | $269.99 | 表示なし | 製造終了 | 10.2セント |
| 10306 Atari 2600 | 2022 | 2,532 | $239.99 | 表示なし | 製造終了 | 9.5セント |
| 10323 ゲームセンターマシン パックマン | 2023 | 2,651 | $269.99 | ¥37,980 →¥26,586 | 売り切れ | 10.2セント |
| 72046 ゲームボーイ | 2025 | 421 | $59.99 | ¥9,980 | 在庫あり | 14.3セント |
| 40926 SEGA Mega Drive ゲーム機 | 2026 | 480 | $39.99 | ¥6,480 | 在庫あり | 8.3セント |
| 72051 ドンキーコング アーケードゲーム | 2026 | 1,367 | $199.99 | ¥29,980 | 在庫あり | 14.6セント |
| 72306(噂) | 2026 | 1,911 | 米国$159.99 | 未定 | 未発表 | 8.4セント |
噂の8.4セントは、いま日本で買えるなかでいちばん単価の安いメガドライブ(8.3セント)とほぼ同じ水準です。この路線としては安い部類に入ります。
日本価格を試算しておきます。現在価格が表示されている4本の「1ドルあたりの日本価格」は¥140.7〜¥166.4に散らばっていて、これを$159.99に当てると 約¥22,500〜¥26,600、中心はおよそ¥25,000 になります。7月に現行105セットで出した中央値¥165.6を当てると¥26,494です。試算であって予想ではありません ── 米国定価そのものが噂です。

「SEGAだけが無い」は、半分だけ当たっている
StoneWarsはこの記事で、PS1が出れば主要なレトロ機が出そろい、SEGAだけが「最初の据置機」のモデルを持たないメーカーとして残る、と書いています。
この書き方は正確です。ただ日本の読者向けには、1行足しておく価値があります。SEGAの機械はもうレゴになっています。 40926「SEGA(R) Mega Drive(TM) ゲーム機」が今年5月に出ていて、8月25日時点で日本の公式ストアに在庫があり、¥6,480です。8月5日の記事で書いたとおり、これは1988年の日本版メガドライブと1989年の北米版ジェネシスの2タイプに組めるセットで、日本版の刻印と北米版のプレートが両方入っています。
SEGAに無いのは、その前のSG-1000(1983年)やマークIII(1985年)のほう、ということになります。
面白いのは、この40926の数字です。Brimagaのデータでは「欲しい」802人に対して「持っている」744人 ── 渇望度(欲しい÷持っている)が1.08で、1を超えています。7月にカフェコーナーで作った指標でいえば、初期のモジュラー建物と同じ側にいる数字です。¥6,480の小さなセットとしては、かなり欲しがられています。

コレクター視点:確かめられることと、確かめられないこと
今日の時点で言えることを整理します。
確かめられたこと
- カタログの72306と40899は、8月10日から15日間まったく変わっていない
- 噂の単価8.4セントは、この路線では安い側(メガドライブ8.3セントとほぼ同じ)
- 同じ10月に、マテルから同じ設計思想の初代Xboxが出る
- サルゲッチュは世界初のデュアルショック専用ソフトで、噂のコントローラーとは噛み合わない
確かめられないこと
- ジオラマがグランツーリスモとサルゲッチュだというのは、SNS発の噂です。裏付けは取れません
- 日本で発売されるかどうかも分かりません。8月17日にスマートプレイで書いたとおり、日本語のページが充実していても日本で売られないことはあります
- 10月1日という日付も、3月には12月と言われていました
買う側にできる実務は、いまのところ多くありません。ただ、この路線は廃番後に日本の実勢が上がりやすいことが分かっています。8月21日に測ったとき、パックマン10323は公式の表示価格¥37,980に対して国内モールの在庫あり最安が¥56,708 ── 約1.49倍でした。もし72306が本当に10月に出るなら、そのときの選択は「発売直後に公式で買うか、数年後に1.5倍で買うか」になります。
噂が中身まで降りてくると、途端に手触りが出ます。グレーの角張った箱、アナログスティックのないコントローラー、そこから開く2つの小さなジオラマ。そのうち1本が、そのコントローラーでは動かなかったゲームだというのが、なんとも日本のプレイステーションらしい話ではあります。
カタログの名前欄は、まだ空いたままです。
※ LEGO(R)およびレゴは、レゴグループの商標です。PlayStation、グランツーリスモ、サルゲッチュ、Astro Bot はソニー・インタラクティブエンタテインメントおよび各権利者の商標です。SEGA、Mega Drive、Genesis はセガの商標です。Nintendo Entertainment System、ゲームボーイ、ドンキーコングは任天堂の商標、Atari はアタリの商標、PAC-MAN はバンダイナムコエンターテインメントの商標です。XBOX はマイクロソフト、Mattel および Mattel Brick Shop はマテルの商標です。本記事はレゴグループおよび各権利者とは関係のない、非公式の情報記事です。72306・40899 に関する記述は未発表の噂であり、正式発表で変更・撤回される可能性があります。価格・在庫はすべて2026年8月25日時点の観測です。








