2026年1月、レゴグループはラスベガスのCESで「レゴ(R)スマートプレイ」を発表した。ブロックに加速度センサーとカラーセンサー、スピーカー、ライト、バッテリーを詰め込み、動かすと音と光が返ってくる。同社はこれを「レゴグループ史上最大のイノベーション」と呼んでいる。
あれから7か月半。日本のレゴ(R)公式ストアには、スマートプレイの全20セットの商品ページがある。日本語の製品名が付き、日本語の特設ページがあり、日本語のFAQがあり、開発ウラ話もデザイナーインタビューも読める。
無いのは価格だけだ。
2026年8月17日、20セットの商品ページを1つずつ開いて確かめた。20ページすべてに「お住まいの地域ではご購入いただけません」の一文があり、円価格の表示は1つも無かった。
日本のストアには20セットある。無いのは価格だけ
商品ページのボタンは「バッグに入れる」ではなく「入荷時にお知らせ」。押すと、購入できるようになったときにメールで知らせてもらう登録ができる。
これが「日本語版のストアはそういう表示をするもの」なのではないことは、同じページの中で確認できる。たとえば75423「ルーク・スカイウォーカーのレッド5 Xウィング」の商品ページを下にスクロールすると、おすすめ欄には通常のレゴ(R)スター・ウォーズのセットが並び、そちらには11,980円や8,280円といった価格と「バッグに入れる」が普通に出ている。同じ日、同じページ、同じ言語で、スマートプレイの列だけが価格を持っていない。
念のため、アメリカのストアで同じ商品を開いた。72164「ピカチューのトレーニングハウス」は $69.99・「Available now」・購入上限3で、評価も15件付いていた。
| 観測(2026年8月17日) | 日本ストア | 米国ストア |
|---|---|---|
| 商品ページ | 全20セットあり | 全20セットあり |
| 価格表示 | 20セットとも無し | 20セットとも有り($14.99〜$159.99) |
| 購入導線 | 「入荷時にお知らせ」 | 「Add to Bag」 |
| 同ページの通常セット | ¥11,980等で購入可 | 購入可 |
測り方: 20セットの商品ページのHTMLを1つずつ取得し、「ご購入いただけません」の一文の有無と円価格の有無を機械的に数えた。うち75423と72164は描画後の画面でも「入荷時にお知らせ」と価格表示ゼロを目視で確認している。
発売は6か国限定だった
理由は、発表の4日後にはっきりしていた。オーストラリアのJay's Brick Blogがレゴグループの公式コメントとして報じた内容を、日本のレゴ(R)情報サイト「スタッズ」が2026年1月10日に伝えている。第1弾が3月1日に店頭に並ぶのは「six launch markets: US, UK, France, Germany, Poland and Australia」──アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ポーランド、オーストラリアの6か国だけだった。
レゴグループはこの限定発売について、スマートプレイが研究開発から製造、小売までバリューチェーン全体を巻き込むプロジェクトであり、立ち上げに複雑な調整が必要なため段階的な展開を選んだ、と説明したと報じられている。あわせて「世界中のファンやビルダーに届けられるよう全力で取り組んでいる」ともコメントし、追加市場については情報が整い次第共有するとしている。
8月1日に追加されたポケモンの12セットも同じだった。ファミ通は「レゴコラボ第2弾が8月1日に海外で発売」と報じており、日本の公式ストアでは12セットとも、スター・ウォーズ側とまったく同じ「入荷時にお知らせ」の状態になっている。

日本の報道は「日本でも3月に発売」と書いていた
ここが、日本のファンにとって話をややこしくしている部分だ。CES直後の日本のテック媒体は、日本発売を前提に書いている。
| 媒体 | 日付 | 記述 |
|---|---|---|
| AV Watch | 2026年1月6日 | 「製品は日本でも3月に発売。」 |
| PC Watch | 2026年1月7日 | 「3月1日に発売予定。国内では1月10日より予約受付を開始する。」 |
| スタッズ | 2026年1月10日 | 3月1日発売は6か国限定で「日本は含まれず」 |
CESの発表そのものは世界同時だったが、どの国でいつ売るかという情報は数日遅れて出てきた。結果として、1月6〜7日時点の記事は日本発売を前提に書かれ、1月10日の公式コメントでそれが6か国限定だと分かった、という順序になっている。
2026年8月17日時点で、日本での発売日や価格を示す発表は確認できていない。レゴ(R)公式ストア(日本)の状態は、スタッズが3月7日の記事で「商品自体は掲載されているが価格の表示はなく購入することもできない」と書いたときから、5か月以上ひとつも変わっていない。
「オールインワン」は20本中5本しかない
スマートプレイのセットは2種類に分かれる。スマートブロック(本体)と充電器が入った「オールインワン」と、スマートタグやスマートミニフィギュアだけが入った「対応セット」だ。対応セットは、それ単体では光らないし鳴らない。オールインワンを持っている人が遊びを広げるための追加、という位置づけになる。
20セットの中身を、日本の商品ページの「セットには次のものが含まれます」欄で1本ずつ数えた。オールインワンは5本だけだった。
| セット | テーマ | ピース | 米国定価 | スマートブロック | ミニフィグ | タグ | 充電器 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 75421 ダース・ベイダーのタイ・ファイター | スター・ウォーズ | 473 | $69.99 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 75423 ルークのレッド5 Xウィング | スター・ウォーズ | 581 | $89.99 | 1 | 2 | 5 | 1 |
| 75427 玉座の間の決闘とAウィング | スター・ウォーズ | 962 | $159.99 | 2 | 3 | 5 | 1 |
| 72164 ピカチューのトレーニングハウス | ポケモン | 400 | $69.99 | 1 | - | 4 | 1 |
| 72167 リザードン vs. サンダース | ポケモン | 751 | $119.99 | 2 | - | 4 | 1 |
残る15本(スター・ウォーズ5本・ポケモン10本)にはスマートブロックが入らない。日本から手を出す場合、まず買うべきものは事実上この5本のどれかということになる。米国定価でいちばん安い入口は$69.99で、75421と72164の2本が並んでいる。
ポケモン側の10本にスマートミニフィギュアが入らないのは、ポケモンがミニフィグではなくブロックで組み上げる造形フィギュアだから。代わりにスマートタグで反応を出している。

並行輸入の値段:¥18,299〜¥62,899
では、日本でどうしても遊びたい人はいくら払っているのか。Brimagaが国内モールから取り込んでいる出品データで、スター・ウォーズの8セットを突き合わせた。8本すべてに在庫ありの国内出品があり、いずれも海外から取り寄せる形の出品だった。7本を扱うビーマジカル楽天市場店は商品名に「並行輸入品」と明記し、75421を¥21,980で出しているパームスアメリカは「当店の商品は原則として『個人輸入』としての取り扱いになり、米国から直接お客様のもとへお届けいたします」と説明している。
比較のために「もし日本で正規に発売されていたら、いくらだったか」の試算を並べる。2026年7月29日の記事「日本価格はドルから計算できない」で、現行105セットの日本定価と米国定価を突き合わせたところ、1ドルあたりの日本価格(税抜換算)の中央値は¥150.6だった。この中央値をあてて税込に直した金額を「日本定価の試算」として置いている。
| セット | 米国定価 | 国内最安(並行輸入) | 店 | 日本定価の試算 | 試算比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 75420 ルークのランドスピーダー | $39.99 | ¥18,299 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥6,625 | 2.76倍 |
| 75424 惑星エンドアの戦い AT-ST | $49.99 | ¥22,499 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥8,281 | 2.72倍 |
| 75422 ヨーダの小屋とジェダイのトレーニング | $69.99 | ¥30,899 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥11,595 | 2.66倍 |
| 75421 ダース・ベイダーのタイ・ファイター | $69.99 | ¥21,980 | パームスアメリカ | ¥11,595 | 1.90倍 |
| 75425 モス・アイズリー・カンティーナ | $79.99 | ¥35,099 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥13,251 | 2.65倍 |
| 75423 ルークのレッド5 Xウィング | $89.99 | ¥39,299 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥14,908 | 2.64倍 |
| 75426 ミレニアム・ファルコン | $99.99 | ¥39,799 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥16,564 | 2.40倍 |
| 75427 玉座の間の決闘とAウィング | $159.99 | ¥62,899 | ビーマジカル楽天市場店 | ¥26,504 | 2.37倍 |
中央値は2.64倍。1ドルあたりの日本価格に直すと税抜換算で¥285.5〜¥416.0で、現行品の中央値¥150.6とは別の世界にある。
ポケモン側は直近1週間の観測がある3本(72163・72166・72167)で¥21,600〜¥31,900、試算比1.60〜1.86倍と、スター・ウォーズより上乗せが薄かった。並行輸入の値付けは、セットの大きさよりもどの店が扱っているかで決まっている。
数字の但し書き。価格はいずれも2026年8月10〜11日に取り込んだ在庫ありの出品で、そのうち75420(¥18,299)・75427(¥62,899)・75421(¥21,980)は8月17日に商品ページを開いて価格が変わっていないことを確認した。8本のうち2店以上の出品を捕捉できたのは75421だけ(2店とも¥21,980)で、残り7本は1店しか捕捉できていない。「国内でこれが最安」ではなく「Brimagaが捕捉できた範囲の実売」として読んでほしい。
そして、この表の金額は支払いの全部ではない。ビーマジカル楽天市場店の7本は「取寄せ・納期目安:約2〜4週間」、パームスアメリカの75421は「1-2日以内に発送。到着まで2-12日前後」と、届くまでの時間もばらつく。後者は個人輸入扱いのため、店側が通関時に関税・輸入消費税が課税される可能性があり、受け取り時に着払いで支払うこと、輸入品につき店の保証は付かないこと、日本語の説明書は同梱されないことを明記している。表示価格が試算の1.90倍で済んでいても、そこに乗る費用と条件は別にある。
買う前に読んでほしい、電波の話
もう一点、日本から買う場合に見落とせない指摘がある。スタッズは2026年3月7日の記事で、ブリックリンク経由でスマートプレイのパーツが日本からも買えるようになったことを伝えつつ、無線技術を使う製品のため日本国内で使用すると電波法に触れる可能性があると注意を促している。
スマートブロックがどういう機器かは、PC Watchの発表記事が具体的だ。標準的な2×4ブロックと同じサイズの中に加速度センサー、カラーセンサー、スピーカー、ライト、バッテリーが入り、充電はコイルによるワイヤレス式。スマートタグやスマートミニフィギュアとの位置関係の検知にも複数のコイルを使い、この開発でレゴグループは25件の特許を出願したという。加えて、セットアップやファームウェア更新は専用アプリから行う。ブロック単体で完結する製品ではなく、無線でやりとりし無線で充電する電子機器だということだ。
日本で正式に発売されていない電子機器を個人輸入して国内で使うことについては、機器ごとに扱いが変わるため、この記事で「違法だ」と断定はしない。ただ、日本向けの認証を通っているか分からない機器を、1万8千円から6万円台を出して買うことになるという点は、値段の話と同じ重さで知っておいたほうがいい。スタッズは「早く遊んでみたい人もやはり日本で正式に発売されるのを待つのが賢明」と結んでいる。

2027年の噂:81ピースの「オールインワン」
先の話も出てきている。Brick Fanaticsが2026年8月16日に伝えた噂によると、2027年4月に72118「All-in-one Activator」という81ピースのオールインワンが出るとされる。現在のオールインワン5本はいずれも400ピース以上で、最も小さい72164でも400ピース・$69.99。81ピースならもっと安く出る可能性が高い、という見立てだ。
同じ記事は、2027年のスマートプレイがスター・ウォーズ、ニンジャゴー、ディズニーで噂されているとも書いている。いずれも公式発表ではなく、価格も未定だ。そして日本での展開については、この噂は何も言っていない。
コレクター視点:システム商品は「買えない期間」が価値を削る
相場の目で見ると、スマートプレイは今のところ値上がりを狙う対象ではない。子ども向けの大量生産品で、6か国では普通に在庫があり、日本で高いのは希少性ではなく輸送と手数料と店のマージンだからだ。むしろ日本で正式発売が始まった瞬間に、いまの並行輸入価格は下がる側に動く。
気にすべきなのは価格ではなく、システム商品特有のリスクのほうだ。スマートプレイは、専用アプリでセットアップやファームウェア更新をする前提で作られている。海外のファンからは、アプリ連携で始まって短命に終わったVIDIYOと同じ道を辿るのではないかという声も出ていると報じられている(VIDIYOはアプリがローカライズされず、日本では製品自体が発売されなかった)。
つまり日本のユーザーにとっての本当の問題は、「高い」ことではなく、買えない期間が長いほど、買ったあとに残っている寿命が短くなることだ。ブロックは30年後も組めるが、バッテリーとファームウェアとアプリは別の時計で動いている。
いま日本からできる現実的な選択は3つある。①公式ストアの各商品ページで「入荷時にお知らせ」を登録して待つ、②並行輸入で買い、上に書いた電波の話を自分で確認したうえで使う、③2027年の噂が形になるのを見てから決める。個人的には、5か月以上ページの状態が変わっていない現状と、来年に安いオールインワンが出るかもしれないという噂を並べると、関税と保証なしを引き受けたうえで最低¥21,980を出すのは、よほど早く遊びたい人向けの選択に見える。
各セットのピース数や登録状況は製品データベースで、世界の「欲しい」の集計はトレンドで追える。日本での発売が動いたときは、また実測して報告する。
訂正のお知らせ
本記事の取材中に、当サイトの過去記事「レゴ ポケモン『スマートプレイ』全12種が8月1日発売」(2026年8月1日公開)に誤りがあることが分かりました。同記事は12種が日本のレゴ(R)公式ストアで発売され、¥2,480〜¥16,980の日本価格が付いていると記載していましたが、これらの日本価格は事実ではなく、12種は日本では発売されていません。当該記事の価格表を削除し、訂正を掲載しました。読者の皆様にお詫びします。
※「レゴ」「LEGO」および関連するロゴ・意匠はレゴグループの商標です。STAR WARS は Lucasfilm Ltd. の、ポケモン・Pokémon は任天堂/クリーチャーズ/ゲームフリークおよび The Pokémon Company の関連権利に基づく版権です。本記事は非公式の情報記事です。価格・在庫・購入可否は2026年8月17日時点でレゴ(R)公式ストア(日本・アメリカ)およびBrimagaの国内出品データで確認した内容で、その後変更される場合があります。2027年の製品に関する記述は未発表の噂であり、実際には作られない可能性があります。














