BRIMAGA
相場2026/7/29 公開8分で読めます

同じ“1ドルぶん”のレゴが、日本では¥123〜¥195する ── 現行105セットの定価を突き合わせて分かった「日本価格はドルから計算できない」

甲斐ショウジ甲斐ショウジ· Brimaga 編集長
この記事のポイント

海外の新製品ニュースには、よく「ドル定価を今のレートで換算した予想日本価格」が出てくる。でもそれは当たらない。2026年の現行レゴ105セットで、米国定価と日本定価を1点ずつ突き合わせてみたら、同じ1ドルぶんのレゴが¥123から¥195まで、1.6倍の幅で散らばっていた。同じ米国定価$89.99でも、スヌーピーは¥12,980・フェラーリは¥14,980。この記事は、その散らばりを全数で見る。

同じ形のブロックに大きさの違う値札が下がったイメージイラスト
画像はAIによる生成イメージです。
目次
  1. 同じ「1ドルぶん」が、¥123から¥195まで
  2. 同じ米国定価でも、日本価格はそろわない
  3. なぜこうなるのか ── 日本価格は「円のキリのいい値段」で決まっている
  4. テーマによっても、少し傾向がある
  5. コレクター視点:ここから持ち帰れること
  6. まとめ

海外のレゴ系メディアが新製品を報じるとき、よくこう書かれる。「米国定価は$99.99。今のレートで換算すると日本では約1万5千円くらいか」。そして日本のSNSでも、その換算値が「予想日本価格」として出回る。

だが、この換算はほぼ当たらない。レゴの日本価格は、ドル定価をレートで割ったものではないからだ。

このことは、これまでも個別の記事で何度も触れてきた(ドゥームズデイの5セットオリビア・ロドリゴの5セットタワーブリッジ)。今回は、それをまとめて全数で確かめる。Brimagaのデータベースにある2026年の現行レゴのうち、米国定価と日本定価の両方が入っている105セットを、1点ずつ突き合わせた。

同じ「1ドルぶん」が、¥123から¥195まで

まず、各セットの「1ドルあたりの日本価格」を出す。日本価格(税込)を消費税10%で割り戻し、それを米国定価(税抜)で割った値だ(税の有無をそろえるため。詳しくは下の注意書き)。

注意

この「1ドルあたりの日本価格」は、為替レートそのものではありません。関税・物流・国ごとの価格設定を全部ふくんだ結果の比率です。ドル定価も日本定価も「レゴが決めた現在の定価」どうしで、発売時価格ではありません。絶対値を実勢レート(1ドル≈150円前後)と比べる意味は薄く、セット間でどれだけ散らばるかを見る指標として使います。

結果はこうだ。105セットの「1ドルあたりの日本価格」は、いちばん安い(=ドルに近い)もので¥122.6、いちばん高い(=日本で割高)もので¥194.6。中央値は¥150.6。同じ1ドルぶんのレゴが、セットによって1.6倍の幅で散らばっている。

1ドルあたりの日本価格セット数
¥130未満(ドルに近い=割安)8
¥130〜14018
¥140〜15011
¥150〜16062
¥160以上(日本で割高)6

半数以上(105点中62点)は¥150〜160に収まる。だが両端に、¥130を切るものが8点、¥160を超えるものが6点ある。「だいたい150円くらい」で当てにいくと、この両端で大きく外す。

同じ米国定価でも、日本価格はそろわない

散らばりがいちばんはっきり出るのは、米国定価が同じセットどうしを並べたときだ。ドルが同じなら、単純換算では日本価格も同じになるはず。ならない。

米国定価日本価格のバリエーション具体例
$29.99¥4,980 / ¥5,980ダークセーバー ¥4,980(151円/$)|自由な妖精ドビー ¥5,980(181円/$)
$49.99¥6,780 / ¥8,280 / ¥9,480ネコとピアノ ¥6,780(123円/$)|ホグワーツの寮章 ¥8,280(151円/$)|ピースリリー ¥9,480(172円/$)
$89.99¥12,980 / ¥14,980スヌーピーの犬小屋 ¥12,980(131円/$)|フェラーリF2004 ¥14,980(151円/$)
$129.99¥18,980 / ¥19,980 / ¥21,980サッカーボール ¥18,980(133円/$)|コアラの家族 ¥19,980(140円/$)|フォード モデルT ¥21,980(154円/$)

$49.99のセットは、日本では¥6,780・¥8,280・¥9,480の3通りに分かれる。¥2,700の差だ。同じ$89.99でも、スヌーピーはフェラーリより¥2,000安い。ドルの数字をいくら見ても、この差は出てこない。

アイデア「スヌーピーの犬小屋」(21368)の公式画像。米国$89.99・日本¥12,980=1ドルあたり約131円で、同じ$89.99のセットの中では日本で割安な部類
アイデア「スヌーピーの犬小屋」(21368)の公式画像。米国$89.99・日本¥12,980=1ドルあたり約131円で、同じ$89.99のセットの中では日本で割安な部類

なぜこうなるのか ── 日本価格は「円のキリのいい値段」で決まっている

理由は、日本価格の付け方にある。上の表の日本価格を並べると、¥1,380/¥4,980/¥6,780/¥8,280/¥9,480/¥12,980/¥14,980/¥18,980/¥21,980 ── どれも「980」や「280」で終わる、日本の小売でおなじみのキリのいい価格帯に乗っている。

つまりレゴジャパンは、ドル定価をレートで割った端数の出る数字ではなく、製品ごとに近い『価格帯』へ丸めて日本定価を決めている。だから、ドルでは同じ$49.99でも、あるセットは¥6,780の棚に、別のセットは¥9,480の棚に置かれる。ドルの刻み($小数点以下.99)と、円の刻み(○,980)は、そもそも別の物差しなのだ。

この「別の物差し」がいちばん露骨に出るのが、安いセットだ。

クリエイター3in1「恐竜」(31379)の公式画像。米国$19.99・日本¥4,280=1ドルあたり約195円で、105点でいちばん日本で割高だった
クリエイター3in1「恐竜」(31379)の公式画像。米国$19.99・日本¥4,280=1ドルあたり約195円で、105点でいちばん日本で割高だった

クリエイター3in1の「恐竜」(31379)は、米国$19.99・日本¥4,280。1ドルあたり¥194.6で、105点でいちばん日本で割高だった。$19.99という中途半端なドル価格が、¥4,280という円の価格帯に丸められると、比率が跳ね上がる。ハリー・ポッターの「自由な妖精ドビー」(76469・$29.99→¥5,980=181円/$)も同じで、小型・低価格のライセンス品ほど、円に丸めたときの割高感が出やすい。

逆に、いちばんドルに近かった(日本で割安だった)のは、大型の高額セットだった。

「FIFAワールドカップ 公式トロフィー」(43020)の公式画像。米国$199.99・日本¥26,980=1ドルあたり約123円で、105点でいちばんドルに近い(日本で割安な)水準
「FIFAワールドカップ 公式トロフィー」(43020)の公式画像。米国$199.99・日本¥26,980=1ドルあたり約123円で、105点でいちばんドルに近い(日本で割安な)水準

「FIFAワールドカップ 公式トロフィー」(43020)は米国$199.99・日本¥26,980で、1ドルあたり¥122.6。2,842ピースの大型セットが、$199.99に対して¥26,980という、換算レートより明らかに低い水準に乗っている。高額セットは、円の価格帯の刻みが相対的に粗くなるぶん、ドルに近い比率で収まりやすい傾向がうかがえる(ただし後述のとおり例外もある)。

テーマによっても、少し傾向がある

テーマ別に「1ドルあたりの日本価格」の中央値を出すと、わずかだが差がある(3点以上あるテーマのみ)。

テーマ1ドルあたりの日本価格(中央値)点数
アイコン¥153.75
テクニック¥153.67
エディション¥151.35
ハリー・ポッター¥150.88
クリエイター3in1¥150.615
ブリックヘッズ¥138.67
クリエイター(3in1以外)¥135.53

アイコンやテクニックといった大人向け・大型の多いテーマは日本価格が高めの比率、ブリックヘッズやクリエイターの小型セットが多いテーマは低めに出ている。ただし各テーマの点数は少なく、セットの大きさの構成に引きずられるので、「このテーマは割高」と断定できるほどの差ではない。あくまで全体の散らばりの内訳、という程度に見てほしい。

なお、大型でも「Douglas DC-3 PAN AM 旅客機」(11378・$219.99→¥38,980)は1ドルあたり¥161.1と高めで、「大型=必ずドルに近い」わけでもない。ここでも、単純な法則で日本価格を当てにいくと外れる。

コレクター視点:ここから持ち帰れること

1. 「ドル定価×レート」の予想日本価格は、あてにしない。 今回の105点で見たとおり、1ドルあたりの日本価格は¥123〜¥195と1.6倍も散らばる。海外メディアやSNSで「$99.99だから日本は約1万5千円」と出ていても、実際の日本定価はレゴジャパンが円の価格帯で別に決めるまで分からない。Brimagaが海外定価の換算ではなく日本の実定価を1点ずつ追っているのは、この散らばりがあるからだ。

2. 同じ予算なら、円で割安な側を選べる。 たとえば「$89.99クラスのディスプレイ系を1つ」と考えているなら、スヌーピーの犬小屋(¥12,980・131円/$)は、同じ$89.99のフェラーリF2004(¥14,980・151円/$)より日本では¥2,000安く、しかもピース数は964で多い。スヌーピーは日本で人気の高いIPでもあり、相場面でも底堅いアイデア系だ。ドルの数字が同じでも、日本の棚では得・損が分かれる。

3. 「円のキリのいい値段」を覚えておくと、割高・割安が読める。 日本のレゴは ¥1,380/¥4,980/¥8,280/¥9,980/¥12,980/¥14,980… という価格帯に乗る。ドル定価をこの棚に当てはめて、近い棚より上に乗っていれば「円では割高側」と当たりがつく。小型のライセンス品(ドビー等)はこの丸めで割高側に出やすく、大型セットはドルに近い側に出やすい。

4. これは「損」の話ではなく「予測できない」話。 割高・割安と書いてきたが、これは同じドル価格どうしを比べた相対的な位置の話で、「そのセットが高すぎる」という意味ではない。言いたいのは一点、日本価格はドルから計算できない、実定価を見るしかない、ということだ。

まとめ

  • 2026年の現行レゴ105セットで米国定価と日本定価を突き合わせたところ、「1ドルあたりの日本価格」(税抜換算)は¥122.6〜¥194.6(中央値¥150.6)と、約1.6倍の幅で散らばった
  • 同じ米国定価でも日本価格はそろわない。同じ$89.99でもスヌーピー¥12,980・フェラーリF2004¥14,980、$49.99は¥6,780/¥8,280/¥9,480の3通り
  • 理由は、日本価格がドル換算ではなく「円のキリのいい価格帯」(○,980等)に丸めて決められているから。ドルの刻みと円の刻みが別物なので、同じドルが違う円に着地する
  • 小型・低価格のライセンス品ほど割高側(恐竜31379=195円/$が最高)、大型の高額セットほどドルに近い側(FIFAトロフィー43020=123円/$が最低)に出やすいが、DC-3のような例外もある
  • 結論はシンプル:「ドル定価×レート」の予想日本価格は当てにならない。日本の実定価を見るしかない

※本記事の分析は、Brimagaのデータベースにある2026年発売・米国定価と日本定価の両方が登録された105セット(2026年7月29日時点、GWP・非売品を除く)に基づきます。「1ドルあたりの日本価格」は 日本定価(税込)÷1.1÷米国定価 で算出した税抜換算の比率で、為替レートではありません。本文で個別に挙げたセットの日本定価は lego.com(日本)で実測して確認しています。本文中の製品画像はレゴ公式の製品画像です。

※LEGO®、レゴ®はレゴグループの商標です。本記事はレゴグループおよび権利者とは関係のない非公式の情報記事です。文中の製品名・ブランド名および製品画像の権利は、それぞれの権利者に帰属します。

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ブリモのひとこと

「ドル×レート」で日本価格を当てにいくと、だいたい外すブリよ!

Brimaga マスコットのブリモ

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