8月19日、初代Xboxを1:1スケールで組み上げる3,509ピースのブロックセットが発表されました。作ったのはレゴグループではありません。マテルが2025年に立ち上げたブロック玩具ブランド「マテル・ブリックショップ」の製品です。レゴのアイコンズやスター・ウォーズが押さえている「大人が飾るための大型セット」の棚に、正面から並べにきた1本ということになります。
日本の読者にとって効いてくるのは、次の一点です。この製品は、日本円で予約できます。 マテルの直販サイトで購入国を日本に切り替えると、価格は¥63,500と円で表示され、予約ボタンが出ます(8月21日時点)。
本記事はレゴ以外のメーカーの製品を扱います。Brimagaはレゴ(R)の相場・カタログサイトなので、この製品の相場データは持っていません。突き合わせに使う数字は、マテル側がメーカーの発表と直販サイトの表示、レゴ側が自社カタログとレゴ公式ストア(日本)の実測です。価格・在庫・表示はすべて2026年8月21日時点の観測です。

発表されたもの
一次資料はマテルのニュースルームに出たプレスリリースで、日付は8月19日です(日本語圏で記事になったのは翌20日)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Mattel Brick Shop Microsoft XBOX Building Set(品番 HYL44) |
| ピース数 | 3,509 |
| 参考小売価格 | $329.99 |
| 日本価格(マテル直販) | ¥63,500 |
| 対象年齢 | 17歳以上 |
| 内容 | 1:1スケールの本体と「The Duke」コントローラー、3本のゲームのジオラマ(Halo: Combat Evolved/The Elder Scrolls III: Morrowind/Psychonauts)、NanoWorldフィギュア12体 |
| 仕掛け | 本体を開くと起動シーケンス、コントローラーのボタンで4種類の光と音、隠しのボタン操作で専用の演出 |
プレスリリースは「コンソールの25周年を記念して」と書いています。初代Xboxの北米発売は2001年11月15日、日本発売はその約3か月後の2002年2月22日です(Game Watch)。つまり25年目の起点は北米で、日本での25年目が来るのは2027年2月ということになります。
発売日は、実はプレスリリースに書かれていません。書いてあるのは「Amazon、ベスト・バイ、Mattel Creations を含む世界の一部の販売店で予約受付中」までです。日本語圏ではGame*Sparkが「現地時間10月1日発売予定」と報じ、英語圏のVGCは「10月」とだけ書いています。一方、マテル自身の直販ページには「2026年10月16日までに発送」と表示されています。1日なのか16日なのかは、公開資料からは決まりません。
マテルは「ピース数で勝負する」と自分で言っている
このブランドが2025年1月に発表されたときのリリースに、目標がはっきり書かれています ── より多くのサプライズ機能、組み立て後の楽しみ、そしてより多くのピース数を、競争力のある価格で提供する、と(スタッズの記事が原文と訳を併載しています)。
「競争力のある価格」と言われたら、相場サイトのやることは1つです。割ってみる。
そこで、レゴ側からピース数がXboxとほぼ同じ3,500ピース級の現行セットを3本選び、日本価格で1ピースあたりを出しました。日本価格はレゴ公式ストア(日本)の商品ページを8月21日に1本ずつ開いて確認した値です。
| セット | ピース | 日本価格 | 1ピースあたり | 米国定価 | 1ピースあたり(セント) |
|---|---|---|---|---|---|
| マテル 初代Xbox(HYL44) | 3,509 | ¥63,500 | ¥18.1 | $329.99 | 9.4 |
| レゴ 76476 魔法省<コレクターズエディション> | 3,491 | ¥74,980 | ¥21.5 | $449.99 | 12.9 |
| レゴ 21067 タワーブリッジ | 3,745 | ¥52,980 | ¥14.1 | $349.99 | 9.3 |
| レゴ 10341 NASA アルテミス スペース・ローンチ・システム | 3,601 | ¥45,980 | ¥12.8 | $259.99 | 7.2 |
まず押さえておくと、順位はドルでも円でも同じです。 高いほうから、ハリー・ポッター → Xbox → タワーブリッジ → アルテミス。この4本のなかでXboxは上から2番目で、それは通貨を変えても動きません。
変わるのは、差の開き方のほうです。
| 比較相手 | ドルで見た差 | 円で見た差 |
|---|---|---|
| 21067 タワーブリッジ | Xboxが0.6%高い | Xboxが27.9%高い |
| 10341 アルテミス | Xboxが30%高い | Xboxが42%高い |
| 76476 魔法省CE | Xboxが27%安い | Xboxが16%安い |
ドルで並べるかぎり、マテルの言う「競争力のある価格」はおおむね成り立っています。9.4セントはタワーブリッジの9.3セントとほぼ同じで、版権もののハリー・ポッターよりはっきり安い。ところが円に持ってくると、ほぼ同じだったはずのタワーブリッジとの差が28%まで開き、ハリー・ポッターに対する安さは27%から16%に縮みます。 4本のなかでマテルだけが、円換算のどこかで1段持ち上げられている形です。

なぜこうなるかは、7月に全105セットで調べた「1ドルあたりの日本価格」の物差しを当てると出てきます。上の4本を同じ計算にかけると、次のようになります。
| セット | 1ドルあたりの日本価格 |
|---|---|
| マテル 初代Xbox | ¥192.4 |
| レゴ 10341 アルテミス | ¥176.9 |
| レゴ 76476 魔法省CE | ¥166.6 |
| レゴ 21067 タワーブリッジ | ¥151.4 |
7月の記事で出した現行105セットの中央値は¥150.6(税抜換算)、税込に直しても¥165.6でした。マテルの¥192.4は、その税込換算の中央値より約16%高い水準です。 ピース単価で見た「競争力」は、日本に持ってくる段階で目減りしている、という読み方になります。
「1ドルあたりの日本価格」は為替レートではありません。日本の税込価格を米国の税抜定価で割った比で、絶対値に意味はなく、同じ計算をした製品どうしを並べたときの散らばりを見るための数字です。今回はマテル側も同じ計算にそろえています。
レゴのレトロゲーム機の棚に置くと、どこに座るか
もう一つの見方は、同じ「ゲーム機をブロックで組む」路線に並べることです。この路線は2020年のニンテンドー エンターテインメント システムから始まり、Brimagaは7月にドンキーコングのリーク、8月にプレイステーションの噂を記事にしてきました。
8月21日にレゴ公式ストア(日本)で1本ずつ開いた結果が、これです。
| セット | 年 | ピース | 日本価格 | 8月21日の状態 | 1ピースあたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 71374 ニンテンドー エンターテインメント システム | 2020 | 2,646 | 表示なし | 製造終了 | - |
| 10306 Atari 2600 | 2022 | 2,532 | 表示なし | 製造終了 | - |
| 10323 ゲームセンターマシン パックマン | 2023 | 2,651 | ¥37,980 →¥26,586(30%オフ) | 限定/まもなく廃番・売り切れ | ¥14.3 |
| 72046 ゲームボーイ | 2025 | 421 | ¥9,980 | 在庫あり | ¥23.7 |
| 72051 ドンキーコング アーケードゲーム | 2026 | 1,367 | ¥29,980 | ただいま在庫切れ | ¥21.9 |
| マテル 初代Xbox(参考) | 2026 | 3,509 | ¥63,500 | 予約受付中 | ¥18.1 |
Xboxの¥18.1は、この棚のなかでは真ん中です。パックマン(¥14.3)より高く、ゲームボーイ(¥23.7)とドンキーコング(¥21.9)より安い。少なくとも「レゴより極端に安い」も「レゴより極端に高い」も成り立ちません。

この表を作っていて、11日前と変わっていた行が1つありました。72051 ドンキーコングが「ただいま在庫切れ」になっています。 8月10日に同じページを開いたときは買える状態で、公式¥29,980に対して国内モールが¥26,983でした。今日の国内モール(在庫あり・直近1週間の観測)は次のとおりです。
| セット | モール最安 | 2番目 | 観測日 | 公式との差 |
|---|---|---|---|---|
| 72051 ドンキーコング | ¥26,980 | ¥26,980 | 8月15日 | 公式より10.0%安い(公式は在庫切れ) |
| 72046 ゲームボーイ | ¥8,350 | ¥8,350 | 8月14日 | 公式より16.3%安い |
| 10323 パックマン | ¥56,708 | ¥57,604 | 8月17日 | 公式の表示価格¥37,980の約1.49倍 |
最安と2番目を並べているのは、型番の一致だけで別物の出品が混ざることがあるためです。今回はどの行も差が小さく、極端な外れ値はありませんでした。71374と10306は、直近1週間に在庫ありで観測された国内出品がなかったため、この表には載せていません。

ソニーの機械のほうは、まだ空欄の番号のまま
面白いのは、同じ10月にもう1台のゲーム機が出るかもしれない、と言われていることです。レゴの72306 ── 初代プレイステーションとされる番号です。
8月21日にBricksetの該当ページを開き直しましたが、8月10日に記事にしたときから1文字も変わっていませんでした。
| 項目 | 8月21日時点のBrickset |
|---|---|
| 名前 | {?}(未登録) |
| テーマ | TBD |
| 年 | 2026 |
| ピース数 | 1,911 |
| 参考価格 | $159.99 / €159.99 |
| 1ピースあたり | 8.4セント |
| 対象年齢 | 18+ |
| バーコード | EAN 5702018068281 |
つまり、こういう並びになっています。マイクロソフトの機械は、メーカーが名前と価格と写真を出して予約が始まっている。ソニーの機械は、数字だけがカタログに入っていて名前が空欄のまま、10月1日という日付だけが噂として流れている。
ここは前回と同じ線を引いておきます。Brimagaの製品データはBricksetを取り込み元のひとつにしているので、「自社DBの1,911ピースが噂と一致する」ことは独立した裏付けにはなりません。同じ数字を2か所で見ているだけです。確かめられるのは、レゴのカタログ運用の側にこの番号と数値が存在する、という一点だけです。
噂の$159.99が本当なら、1ピースあたり8.4セント ── マテルのXboxの9.4セントより安いことになります。「ピース数で勝負する」と宣言したブランドより、レゴの噂のほうが単価が低い、という妙な状態です。もっとも、片方は確定価格で片方は噂なので、並べられるのはここまでです。
なお日本にとっての意味は、この2台でまるで違います。初代プレイステーションは1994年12月3日に¥39,800で日本から出た機械で、累計出荷は1億240万台を超えました(ソニー・インタラクティブエンタテインメント公表値・2012年3月31日時点)。初代Xboxが日本に来たのは2002年2月22日です。日本で先に売られた機械のほうが、ブロックになるのは後になるかもしれない ── 少なくとも今日の時点では、そう見えます。

日本で買うなら、直販と並行輸入で値段が割れている
マテル・ブリックショップは、実はもう日本のAmazonに並んでいます。8月21日に検索すると112件が出てきました。ただしマテル直販の日本価格と、Amazonの出品価格は一致しません。同じ製品で突き合わせるとこうなります。
| 製品 | ピース | Amazon.co.jp | マテル直販(日本) | 差 |
|---|---|---|---|---|
| ホットウィール メルセデス・ベンツ 300 SL | 1,600 | ¥20,998 | ¥17,900 | 直販が¥3,098安い |
| ホットウィール '84 アウディ スポーツ クワトロ | 864 | ¥22,127 | ¥10,600 | 直販が¥11,527安い |
| ホットウィール アウディ アバント RS2 | 253 | ¥4,978 | ¥3,100 | 直販が¥1,878安い |
| ホットウィール '07 ホンダ S2000 | 257 | ¥5,169 | ¥4,400 | 直販が¥769安い |
| ホットウィール '15 アウディ R8 LMS | 820 | ¥9,918 | ¥10,600 | Amazonが¥682安い |
| ホットウィール カスタム '62 シボレー ピックアップ | 858 | ¥8,700 | ¥10,600 | Amazonが¥1,900安い |
6組のうち4組で直販のほうが安く、2組でAmazonが安い。そして1組(アウディ スポーツ クワトロ)は直販の2倍を超えています。これはレゴでも見慣れた形で、7月末に廃番予定のセットを全件突き合わせたときと同じく、「モールが安い」も「モールが高い」も、製品ごとにしか言えません。
Xboxそのものについては、日本のAmazonでの取り扱いを今日の時点で確認できていません(検索が結果を返さない状態でした)。確認できているのは、マテル直販が日本を選べて¥63,500と表示すること、そしてプレスリリースがAmazon・ベスト・バイ・Mattel Creationsでの予約開始を告知していることの2点です。「日本のAmazonでは買えない」とは書けません。今日の観測では確かめられなかった、というだけです。
コレクター視点:この製品には、まだ相場が無い
最後に、レゴの相場を追っているサイトとして書けることを3つ挙げておきます。
1. 中古相場のデータが、まだ誰の手元にもありません。 レゴなら、Brimagaは国内モールの出品を毎日拾っていますし、BricksetもBrickEconomyも何十年ぶんもの廃番後の値動きを持っています。マテル・ブリックショップは2025年5月に最初の製品が出たばかりのブランドで、「廃番になったら上がるのか」を判断できる過去のサンプルがありません。上がるとも下がるとも書けない、というのが正直なところです。
2. 組み立てそのものは、かなりレゴに近い形をしています。 VGCは、ブリックショップが互換性のために同じポッチ式の接続を使っている、と書いています。実際、公式画像に写る内部構造は、ポッチ付きのプレートやブロックを積んだもので、開いた説明書のページには「110」という手順番号が振られています。飾るためのモデルであると同時に、まとまった時間を使う組み立て体験として設計されているのは間違いなさそうです。
3. ただし、フィギュアはミニフィグではありません。 同梱される12体は「NanoWorld」と呼ばれる約1インチの人形で、公式画像で見るかぎり関節で動くようには作られていません。マテル自身のオンラインストアに載っている購入者レビューにも、可動するフィギュアが欲しかったという不満が1件付いています(8月19日投稿)。ミニフィグが動くことを当たり前だと思っている人ほど、ここは事前に知っておいたほうがいい違いです。
「レゴのライバルが出てきた」という話は、これまで何度も繰り返されてきました。今回が少し違うのは、数字を突き合わせられる形で日本に来ていることです。3,509ピース、¥63,500、17歳以上、10月。同じ棚に並ぶレゴの現行品と、そのまま割り算で比較できます。
割ってみた結果は、「ドルではレゴのタワーブリッジと同水準、円ではそこから28%上」でした。そして同じ月に、レゴのほうも1,911ピースの機械を出すかもしれない。答え合わせができるのは、早ければ10月です。
※ LEGO(R)およびレゴは、レゴグループの商標です。Mattel、Mattel Brick Shop、Hot Wheels、Masters of the Universe はマテルの商標です。XBOX、Halo、The Elder Scrolls は Microsoft および各権利者の商標、PlayStation はソニー・インタラクティブエンタテインメントの商標、Psychonauts は Double Fine Productions および各権利者の商標です。本記事はレゴグループ、マテル、および各権利者とは関係のない、非公式の情報記事です。72306に関する仕様・価格・発売時期は未発表の噂を含みます。価格・在庫・表示はすべて2026年8月21日時点の観測です。










