BRIMAGA
相場2026/8/24 公開9分で読めます

「レゴのアソーカは売れなかった」を自社データで検算した ── 渇望度も所有数も販売期間も、スター・ウォーズ78本の真ん中だった。ただし1本だけ、他媒体の表が間違っていた

甲斐ショウジ甲斐ショウジ· Brimaga 編集長
この記事のポイント

アソーカのシーズン2が2027年1月20日に決まった一方で、2027年前半のレゴのリークにアソーカは1件も無い。海外メディアは「シーズン1のセットが売れなかったからだ」と書いた。Brimagaは自社カタログの6本を、同時期のスター・ウォーズ78本と3つの指標で突き合わせた。

レゴ(R)スター・ウォーズ「ゴースト&ファントムII」75357 の公式画像
目次
  1. まず、アソーカのセットは何本あるのか
  2. 他媒体の表の1行が間違っていた ── 最短は75385ではない
  3. 検算1:渇望度は、同時期のスター・ウォーズの真ん中だった
  4. 検算2:所有数も、期間も、外れていない
  5. 日本ではどうなっているか
  6. コレクター視点:シーズン2は1月20日、レゴの噂は空欄

『アソーカ』のシーズン2が、2027年1月20日にDisney+で配信されることが決まりました(8月14日のD23で発表・Varietyほか)。ところが、2027年前半のレゴ スター・ウォーズの噂リストに、アソーカのセットは1つも入っていません

これについてBrick Fanaticsが8月23日に「シーズン1のセットが売れなかったからだろう」という記事を出しました。同誌が挙げた根拠は、第2波が1本しか出なかったこと、そして英国の価格比較サイトのデータで頻繁に値引きされていたことです。

相場サイトとして、これを自社のデータで検算してみます。結論から言うと、Brimagaが持っている3つの指標のどれも「アソーカだけが特別に売れなかった」を支持しませんでした。 ただし調べる過程で、同誌の表に1件の誤りが見つかりました。

注意

Brimagaが使う「欲しい」「持っている」はBricksetのユーザー登録数で、メーカーの出荷数でも売上でもありません。熱心なコレクターほど登録する偏りがあり、これだけで売れ行きを断定することはできません。この記事が示せるのは「同じ条件で集めた数字を横に並べたとき、アソーカが他と違って見えるかどうか」までです。価格・在庫は2026年8月24日時点の実測です。

まず、アソーカのセットは何本あるのか

最初に自社カタログを製品名で「アソーカ」と検索したのですが、これは間違いでした。名前にアソーカが入らないセット(ゴースト&ファントムII、Eウイング、チョッパー、バトルパック)が漏れ、逆に『クローン・ウォーズ』由来の 75359 が混ざってしまいます。

正しくは、Bricksetのサブテーマ「AHSOKA」で引きます。ここに入るのはちょうど6本です。

セット発売〜終了(Brickset)期間ピース米国定価1ピースあたり
75357 ゴースト&ファントムII2023年9月1日 〜 2025年12月31日2年3か月30日1,394$159.9911.5セント
75362 アソーカ・タノのT-6 ジェダイ・シャトル2023年9月1日 〜 2025年12月31日2年3か月30日601$79.9913.3セント
75364 新共和国 Eウイング vs. シン・ハティのスターファイター2023年9月1日 〜 2024年12月31日1年4か月1,056$109.9910.4セント
75385 アソーカ・タノのペリディアの決闘2024年8月1日 〜 2025年12月31日1年4か月30日382$54.9914.4セント
75412 デス・トルーパーとナイト・トルーパー バトルパック2025年6月1日 〜 2026年12月31日1年6か月30日119$22.9919.3セント
75416 C1-10P 'チョッパー' アストロメク・ドロイド2025年5月1日 〜 未定継続中1,039$99.999.6セント

「何をアソーカのセットと数えるか」で本数が変わるのは、7月にミニフィグのキャラクターを数えたときにも書いたとおりです。今回は上流の分類に従いました。

他媒体の表の1行が間違っていた ── 最短は75385ではない

Brick Fanaticsの記事には6本の販売期間の表があり、そこには 75364 の期間が「2023年9月1日〜2025年12月31日」と書かれています。そして本文は「最短は75385の1年5か月」としています。

Bricksetの当該ページを開くと、75364 の LAUNCH/EXIT は 1 Sep 2023 - 31 Dec 2024(1年4か月) でした。Brimagaのカタログも同じ2024年12月31日です。

Brick Fanaticsの表Brickset/Brimaga
75364 の終了2025年12月31日2024年12月31日
6本で最短の1本75385(1年4か月30日)75364(1年4か月)

差は30日ですが、順番が入れ替わります。しかも皮肉なことに、同誌が「英国で£25引きが何か月も続いていた」と名指ししたのが、この 75364 です。実際にはその1本が、記事の表よりも1年早く棚から消えていた ── つまり同誌の主張を補強する事実を、表の誤記が自分で打ち消していた形になります。

「新共和国 Eウイング vs. シン・ハティのスターファイター」75364 の公式画像。6本で唯一、販売期間が1年4か月で終わった1本
「新共和国 Eウイング vs. シン・ハティのスターファイター」75364 の公式画像。6本で唯一、販売期間が1年4か月で終わった1本

検算1:渇望度は、同時期のスター・ウォーズの真ん中だった

7月にカフェコーナーの記事で作った渇望度(欲しい ÷ 持っている)を当てます。1を超えると「持っている人より欲しい人のほうが多い」ことになります。

対照群は、2023〜2025年に出たスター・ウォーズのセット78本(アソーカの6本を除き、所有500人超・80ピース超に限定)。その渇望度は中央値0.286、四分位範囲は0.193〜0.452でした。

セット欲しい持っている渇望度
75416 チョッパー2,0564,1240.499
75357 ゴースト&ファントムII3,60910,2640.352
75364 Eウイング2,3828,6420.276
75412 バトルパック1,7897,1600.250
75385 ペリディアの決闘2,1708,8260.246
75362 T-6 ジェダイ・シャトル2,53413,9670.181
(対照)SW78本中央値 0.286

アソーカ6本の中央値は0.263。対照の0.286をわずかに下回りますが、四分位範囲の中に6本中4本が収まり、上下にはみ出したのは 75416(0.499・上)と 75362(0.181・下)の2本だけです。「売れ残った棚」に見えるほど低くはありません。

むしろ目を引くのは 75416 チョッパーの0.499で、これは対照群の第3四分位0.452を上回ります。シリーズの最後に出た1本が、6本でいちばん欲しがられているという並びです。

検算2:所有数も、期間も、外れていない

残り2つの指標も同じように当てます。

指標アソーカ6本対照(SW78本)判定
所有登録数の中央値8,7347,268アソーカのほうが多い(6本中4本が対照の中央値超え)
販売期間の中央値19.0か月21.3か月やや短いが、2本は2年3か月続いた

Brick Fanatics自身も「アソーカのセットは概ね2年で、これは近年のレゴの平均的な寿命だ」と書いています。その通りで、数字は同誌の本文とも一致します。 食い違っているのは見出しのほうです。

3つの指標を並べたときにきれいに出てくるのは、「アソーカ全体が沈んだ」ではなく、同じ日に出た第1波3本のうち1本だけが1年早く消えたという分裂のほうでした。75357 と 75362 は2年3か月30日、75364 だけが1年4か月。同じ棚に同じ日に並んで、片方だけが先に引かれています。

「アソーカ・タノのT-6 ジェダイ・シャトル」75362 の公式画像。6本のなかで所有登録がいちばん多く(13,967人)、渇望度はいちばん低い0.181
「アソーカ・タノのT-6 ジェダイ・シャトル」75362 の公式画像。6本のなかで所有登録がいちばん多く(13,967人)、渇望度はいちばん低い0.181

日本ではどうなっているか

ここからは日本の実測です。6本のうち、いま日本の公式ストアで買えるのは2本だけでした。

セット日本の公式8月24日の表示国内モール最安(在庫あり・直近1週間)
75416 チョッパー¥18,980在庫あり・上限10¥15,800(コジマYahoo!店)-16.8%
75412 バトルパック¥2,980販売中¥2,979(トイザらス・ベビーザらスヤフー店)-1円

75412 の1円差は、記事を書いていて思わず二度見した数字です。実務的には「どちらで買っても同じ」ということになります。

一方、廃番になった4本(75357・75362・75364・75385)は、国内モールの在庫あり出品が1件もありませんでした。 「値引きされて売れ残っていた」と言われるセットが、日本ではもう在庫として拾えない状態です。海外で長く値引きされていたことと、日本の棚に残っていないことは、別の話として扱う必要があります。

注意

国内モールで在庫ありの出品は 75412 と 75416 が各2件ずつで、いずれも2件目は並行輸入でした(75412 が¥13,200、75416 が¥34,500)。それぞれ最安の4.4倍・2.2倍です。件数が少ないので、この2本の「最安」は1件の出品に依存しています。

「C1-10P 'チョッパー' アストロメク・ドロイド」75416 の公式画像。8月24日時点で日本の公式ストアは¥18,980・在庫あり
「C1-10P 'チョッパー' アストロメク・ドロイド」75416 の公式画像。8月24日時点で日本の公式ストアは¥18,980・在庫あり

日本価格を米国定価で割ると、75416 が¥189.8、75412 が¥129.6。7月に現行105セットで出した中央値¥165.6を挟んで、同じサブテーマの2本が上下に大きく割れています。同じシリーズの中でも1ドルあたりの日本価格は揃わない、という7月の観察がここでも出ました。

コレクター視点:シーズン2は1月20日、レゴの噂は空欄

事実関係を整理します。

  • シーズン2の配信は 2027年1月20日(Disney+)。スローン大提督とアナキンが戻ると報じられています
  • 2027年前半のレゴ スター・ウォーズの噂リストに、アソーカ関連は1件も無い
  • シリーズ最後のセット 75416 チョッパーは2025年5月発売で、Bricksetの終了予定は未定のまま(Brimagaのカタログには2027年7月31日が入っていますが、Bricksetの公開ページは空欄です)

ここから「レゴがアソーカを見限った」と読むことはできます。ただ、噂に無いことは発表が無いことを意味しません。8月14日に2027年の枠を数えたときに見たとおり、2027年のカタログはまだ98%が空欄で、名前が入っていない番号が200以上あります。いま「無い」と言えるのは、リークに出ていないという1点だけです。

買う側の実務としては、こうなります。チョッパー 75416 は終了予定が未定で、日本の公式に在庫があり、国内モールが16.8%安い。 急ぐ理由はいまのところありません。逆に廃番済みの4本は、日本のモールでは在庫あり出品が拾えないので、探すなら中古か海外に出ることになります。

「デス・トルーパーとナイト・トルーパー バトルパック」75412 の公式画像。日本の公式は¥2,980で、国内モール最安との差は1円だった
「デス・トルーパーとナイト・トルーパー バトルパック」75412 の公式画像。日本の公式は¥2,980で、国内モール最安との差は1円だった

「売れなかった」という言葉は、数字を1つも出さずに使えてしまいます。今回それを3つの指標に置き換えてみたら、アソーカの6本は同時期のスター・ウォーズの真ん中に収まりました。 きれいに出たのは全体の沈下ではなく、同じ日に並んだ3本のうち1本だけが1年早く消えたという、もっと小さくて具体的な事実のほうでした。

そして、そのことに気づけたのは、他媒体の表を鵜呑みにせず1行ずつ上流に当てたからです。1月20日にシーズン2が始まったとき、レゴの棚に何が並ぶのか ── そのときまた、同じやり方で数えます。

※ LEGO(R)およびレゴは、レゴグループの商標です。STAR WARS および AHSOKA 関連の名称は Lucasfilm Ltd. および各権利者の商標です。本記事はレゴグループおよび各権利者とは関係のない、非公式の情報記事です。2027年の製品に関する記述は未発表の噂を含みます。「欲しい」「持っている」はBricksetのユーザー登録数であり、出荷数・売上ではありません。価格・在庫はすべて2026年8月24日時点の観測です。

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ブリモのひとこと

「売れなかった」って、どの数字で言ってるブリ?

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