BRIMAGA
相場2026/8/4 公開12分で読めます

「欲しい」を7日で数えるか30日で数えるかで、1位が入れ替わる ── /trends に月間急上昇を追加して、同じ日の週間ランキングと並べてみた

甲斐ショウジ甲斐ショウジ· Brimaga 編集長
この記事のポイント

Brimagaは世界のファンの「欲しい」を毎日記録している。7月5日から数えて30日ぶんたまったので、/trends に月間の急上昇ランキングを追加した。同じ日・同じ指標で週間と月間を並べたら、1位が別のセットになった。週間1位の「海沿いのレトロな路面電車」は月間では12位以内に入らず、月間1位のボバ・フェットは直近1週間で初速の3分の1まで落ちていた。

週間と月間、2つの窓で同じデータを切り取るイメージイラスト
画像はAIによる生成イメージです。
目次
  1. 月間の急上昇 TOP12(7月5日→8月4日)
  2. 同じ日の、週間の急上昇 TOP12(7月28日→8月4日)
  3. 3つの窓で測ると、まったく違う顔が出る
  4. 分かれ目は「7月5日時点で何人に知られていたか」だった
  5. 例外が1件だけある
  6. 「率」で並べると、また順位が変わる
  7. で、日本ではいくらで、そもそも買えるのか
  8. 3週間前の「まだ買えない」は、どうなったか
  9. コレクター視点:2つのランキングをどう使い分けるか
  10. まとめ

Brimagaは、ファンコミュニティ「Brickset」の「欲しい(ウィッシュリスト登録)」を、1万6,000点以上のセットぶん毎日記録している。7月5日に記録を始めてから、今日でちょうど30日たまった。

そこで 世界LEGO動向月間の急上昇ランキングを追加した。7月12日に出した週間の急上昇と、指標もデータも同じ。違うのは、何日ぶんを数えるかという窓の幅だけだ。

同じ日の同じ数字を、7日と30日で数え直した。結果、1位が入れ替わった。

月間の急上昇 TOP12(7月5日→8月4日)

30日間で「欲しい」が増えた人数の多い順。

順位セットテーマ増えた人数7/5→8/4伸び率
1ボバ・フェット(75455スター・ウォーズ+660726→1,386+90.9%
2ゴールデンポトス(11512ボタニカル+528505→1,033+104.6%
3ダークフラワーアレンジメント(11513ボタニカル+441276→717+159.8%
4E.T.(21370アイデア+359284→643+126.4%
5サグラダ・ファミリア(21065アーキテクチャー+2741,019→1,293+26.9%
6オフワールド・サンドクローラー(75453スター・ウォーズ+2551,395→1,650+18.3%
7インペリアル・レムナント AT-AT(75454スター・ウォーズ+2481,448→1,696+17.1%
8アーケード・ピンボール(11374アイコン+240815→1,055+29.4%
9ハロウィンのパンプキンランタン(40872シーズナル+232167→399+138.9%
10BMW M3(E30)(77263スピードチャンピオン+2241,515→1,739+14.8%
11ハロウィンのスカルキャンドル(40883シーズナル+194148→342+131.1%
12ミナス・ティリス(11377アイコン+1941,866→2,060+10.4%

同じ日の、週間の急上昇 TOP12(7月28日→8月4日)

そして、まったく同じ8月4日のデータを7日で数えるとこうなる。

順位セット増えた人数30日で数えると
1海沿いのレトロな路面電車(60506+71+140(12位圏外
2ボバ・フェット(75455)+61+660(1位)
3ダークフラワーアレンジメント(11513)+61+441(3位)
4ゴールデンポトス(11512)+61+528(2位)
5サグラダ・ファミリア(21065)+52+274(5位)
6アーケード・ピンボール(11374)+49+240(8位)
7E.T.(21370)+48+359(4位)
8スパイダーマン vs ハルク(76350+41+87(12位圏外
9ミナス・ティリス(11377)+40+194(12位)
10ハロウィンのパンプキンランタン(40872)+39+232(9位)
11インペリアル・レムナント AT-AT(75454)+38+248(7位)
12スター・ウォーズ アドベントカレンダー(75456+36+162(12位圏外

12件中9件は両方に載っている。入れ替わるのは3件ずつだ。週間だけに載るのが路面電車・スパイダーマン・アドベントカレンダー、月間だけに載るのがサンドクローラー・BMW M3・スカルキャンドル。

だが、1位はきれいに入れ替わっている

週間1位の「海沿いのレトロな路面電車」60506。日本の公式ストアでは8月4日時点で入荷待ち(レゴ公式画像)
週間1位の「海沿いのレトロな路面電車」60506。日本の公式ストアでは8月4日時点で入荷待ち(レゴ公式画像)

3つの窓で測ると、まったく違う顔が出る

なぜこうなるのか。30日を3つに割って、1日あたり何人ずつ増えたかを見ると一目で分かる。

セット7/5→7/127/12→7/287/28→8/4
ボバ・フェット(75455)30.9人/日23.98.7
ゴールデンポトス(11512)29.116.48.7
ダークフラワー(11513)24.013.38.7
E.T.(21370)21.410.16.9
スカルキャンドル(40883)12.75.33.0
サグラダ・ファミリア(21065)9.19.97.4
AT-AT(75454)9.19.15.4
アーケード・ピンボール(11374)8.98.17.0
ミナス・ティリス(11377)7.46.45.7
海沿いのレトロな路面電車(60506)2.03.410.1

3つの型がはっきり分かれる。

  1. 落ちる組 ── ボバ・フェットは30.9人/日で始まり、直近1週間は8.7人/日。初速の3割以下まで落ちた。ゴールデンポトス、ダークフラワー、E.T.、スカルキャンドルも同じ形だ
  2. ほとんど落ちない組 ── サグラダ・ファミリア(9.1→9.9→7.4)、ピンボール(8.9→8.1→7.0)、ミナス・ティリス(7.4→6.4→5.7)。速くはないが、1か月ずっと同じようなペースで積み上がっている。AT-AT(9.1→9.1→5.4)はその中間で、直近1週間だけ緩んだ
  3. 上がる組 ── 路面電車だけが逆を向いている。2.0人/日から10.1人/日へ5倍。この1週間で急に動き出した
ポイント

つまり、週間ランキングは「いま動き出したもの」を、月間ランキングは「1か月かけて積み上がったもの」を拾う。 路面電車は週間でしか見えず、サンドクローラーやBMW M3は月間でしか見えない。どちらが正しいかではなく、見えるものが違う。

分かれ目は「7月5日時点で何人に知られていたか」だった

月間TOP12について、最初の1週間のペースが直近1週間でどれだけ残っているか(残存率)を計算し、7月5日時点の登録数と並べてみた。すると、きれいに2つに割れた。

7/5時点の登録数セット初速直近残存率
148スカルキャンドル(40883)12.73.00.24
167パンプキンランタン(40872)14.35.60.39
276ダークフラワー(11513)24.08.70.36
284E.T.(21370)21.46.90.32
505ゴールデンポトス(11512)29.18.70.30
726ボバ・フェット(75455)30.98.70.28
815アーケード・ピンボール(11374)8.97.00.79
1,019サグラダ・ファミリア(21065)9.17.40.81
1,395サンドクローラー(75453)8.94.10.47
1,448AT-AT(75454)9.15.40.59
1,515BMW M3(77263)8.74.30.49
1,866ミナス・ティリス(11377)7.45.70.77

726人以下の6件は、残存率が全て0.39以下815人以上の6件は、全て0.47以上。境目に重なりがない。

説明としては自然だ。7月5日の時点で登録が少なかったセットは、情報が出たばかりでまだ知らない人が大量に残っていた。だから最初の1週間で一気に伸び、行き渡ると鈍る。すでに1,000人以上が登録していたセットは、伸びしろが小さいかわりに、毎日の新規登録がほぼ一定で入り続ける。

注意

これは記録した30日ぶんのデータの中で見えた形であって、レゴが情報を公開した日を1件ずつ突き合わせて検証したものではありません。母集団も月間TOP12の12件だけです。「発表直後だから伸びる」という説明は自然ですが、この記事のデータだけで因果を断定はできません。

例外が1件だけある

そして、この規則から外れるのが海沿いのレトロな路面電車だ。7月5日時点で1,563人が登録済み ── 完全に「大きい組」に属する。にもかかわらず残存率は5.07、つまり初速の5倍に加速している。

「まだ知られていないから伸びている」では説明がつかない。この1週間で、このセットに何かが起きている。 週間ランキングが拾えるのは、まさにこういう動きだ。

「率」で並べると、また順位が変わる

同じ表を伸び率で見ると、3位のダークフラワーアレンジメントが+159.8%でトップになり、12位のミナス・ティリスは+10.4%で最下位に沈む。人数では両方とも上位12件に入っているのに、だ。

母数が小さいセットは率が跳ね、母数が大きいセットは人数が積む。ミナス・ティリスは1か月で194人増えたが、もともと1,866人が待っていたので率にすると1割にしかならない。

月間12位の「ミナス・ティリス」11377。伸び率は+10.4%と低いが、母数が大きいぶん人数では上位に入る。公式ストアは入荷待ち・購入上限1(レゴ公式画像)
月間12位の「ミナス・ティリス」11377。伸び率は+10.4%と低いが、母数が大きいぶん人数では上位に入る。公式ストアは入荷待ち・購入上限1(レゴ公式画像)

Brimagaの/trendsで人数を採っているのは、率だと「もともと10人だったものが30人になった」ようなセットが上位を埋めてしまうからだ。ただし人数だけ見ていると、率で見たときの勢いは見落とす。両方を並べて見るのが正しい

で、日本ではいくらで、そもそも買えるのか

ここからがBrimagaの本題だ。「世界が欲しがっている」だけでは、日本の読者には何も起きない。上位のセットをレゴ公式ストア(日本)で1点ずつ実測した(すべて2026年8月4日時点)。

セット日本価格ピース公式ストアの状態
海沿いのレトロな路面電車(60506)¥11,980693入荷待ち(8/11までに発送)・上限10
ボバ・フェット(75455)¥29,9801,544在庫あり・上限10
ゴールデンポトス(11512)¥9,480372在庫あり・上限10
ダークフラワーアレンジメント(11513)¥9,480562在庫あり・上限10
E.T.(21370)¥21,9801,226在庫あり・上限10
サグラダ・ファミリア(21065)¥129,98012,060近日発売(11月1日)
ミナス・ティリス(11377)¥114,9808,278入荷待ち(8/20までに発送)・上限1

注目すべきは2点だ。

週間1位の路面電車は、日本の公式ストアで入荷待ちになっている。 ¥11,980・693ピースのシティのセットで、「新着」バッジが付いたまま在庫が切れ、8月11日までの発送予定になっていた。前の章で「この1週間で何かが起きている」と書いた例外のセットが、日本の店頭では品切れている ── 世界の「欲しい」と日本の在庫という別々の観測が、同じ向きを指している。

注意

ただし「欲しい」はBrickset利用者の世界全体の登録数、在庫はレゴ公式ストア(日本)の状態です。別々の母集団の観測が同じ向きを指したという以上のことは言えません。どちらかがどちらかの原因だと確かめたわけではありません。

ミナス・ティリスは購入上限1だ。 上に並んだ他のセットが軒並み上限10なのに対し、これだけ1個までに絞られている。¥114,980・8,278ピースの最上位クラスで、こちらも入荷待ち。伸び率は+10.4%と地味だが、実際の店頭では最も手に入りにくい。

3週間前の「まだ買えない」は、どうなったか

ついでに、前回の記事の答え合わせをしておきたい。7月12日の週間急上昇の記事で、私はこう書いていた。

急上昇の主役が“発売前の新作”である以上、そのほとんどはまだ日本の店頭に並んでいません。実際、今回のTOP30のうち、この時点でBrimagaが日本の追跡店にオファーを確認できたのは8本だけでした。

当時、首位のボバ・フェットは「日本での価格・発売日は未定」と書くしかなかった。

3週間後の今日、上の表のとおりだ。ボバ・フェットは¥29,980で在庫あり、E.T.は¥21,980で在庫あり、ボタニカルの2作も在庫あり。発売前の「欲しい」として観測されていたものが、実際に日本の棚に着地した。急上昇ランキングが発売の1か月前に拾っていた熱は、そのまま店頭の入荷につながっていたことになる。

月間5位の「サグラダ・ファミリア」21065。12,060ピース・¥129,980で11月1日発売。ペースがほとんど落ちない典型(レゴ公式画像)
月間5位の「サグラダ・ファミリア」21065。12,060ピース・¥129,980で11月1日発売。ペースがほとんど落ちない典型(レゴ公式画像)

そしてサグラダ・ファミリアは、当時9位に入っていながら、今も「近日発売」のままだ。発売は11月1日でまだ3か月先。12,060ピース・¥129,980という規模のセットが、発売の3か月前から毎日9人前後のペースで淡々と「欲しい」を集めている。ランキングの「落ちない組」の正体は、こういう予約待ちの大型セットだ。

豆知識

表の7点のうち、ボタニカルの2作(ゴールデンポトス・ダークフラワーアレンジメント)はどちらも9,480円で同額。ピース数は372と562で1.5倍違うのに、日本価格は同じ段に乗っている。日本の定価が「円のキリのいい価格帯」に丸められる話は別記事で105セットぶん検証した。

コレクター視点:2つのランキングをどう使い分けるか

実用の観点で言えば、使い道は違う。

週間は「今週の異変」を知るためのもの。 路面電車のように、先週まで静かだったセットが急に動いたことを教えてくれる。品薄・セール・レビュー公開・メディア露出といった短期の出来事は、まず週間に出る。買い逃したくないなら、こちらを見る。

月間は「本命」を知るためのもの。 発表直後の花火は30日のうちに薄まるので、1か月ずっと積み上がり続けたセットだけが残る。サグラダ・ファミリアやミナス・ティリスのような、値段も規模も大きいセットが上位に来るのはそのためだ。何を長く追いかけるか決めたいなら、こちらを見る。

相場の観点では、月間で上位に居続けるセットのほうが意味が重い。一過性の話題ではなく、1か月にわたって世界中で「欲しい」が積み上がったという事実は、廃番後に買い手が残るかどうかの手がかりになる。ただし「欲しい」が多いことは、そのまま二次価格の上昇を意味しない。所有数(=実際に出回った数)とセットで見る必要がある ── その対比は渇望度の記事で扱った。

注意

このランキングはBricksetのウィッシュリスト登録数の増減で、購入数や出荷数ではありません。また基準日(7月5日)にまだ登録の無かった新規追加セットは対象外です。集計対象は本体セットのみで、グッズ類は除いています。

まとめ

  • Brimagaの世界LEGO動向月間急上昇ランキング(30日のΔ「欲しい」)を追加した。7月5日から記録を始めて30日ぶんたまったため
  • 同じ8月4日のデータでも、7日で数えるか30日で数えるかで1位が入れ替わる。週間1位の「海沿いのレトロな路面電車」60506は月間では12位圏外、月間1位のボバ・フェット75455は直近1週間では2位
  • 上位12件のうち9件は両方に載る。入れ替わるのは3件ずつ
  • 1日あたりのペースで割ると3つの型に分かれる。落ちる組(ボバ・フェットは30.9→8.7人/日)、落ちない組(サグラダ・ファミリアは9.1→9.9→7.4)、上がる組(路面電車は2.0→10.1)
  • 日本の公式ストアを実測すると、路面電車とミナス・ティリスが入荷待ち。後者は購入上限1で、上位で最も手に入りにくい
  • 週間は「今週の異変」、月間は「本命」を見るためのもの。両方を並べて見る

※ LEGO(R)、レゴ(R)はレゴグループの商標です。本記事はレゴグループとは関係のない非公式の情報記事です。掲載の価格・在庫・ランキングは本文中に記した観測日時点のもので、以後変動します。

この記事が役に立ったらシェア
amazon

この記事のセットを Amazon で探す

※ Amazon のアソシエイトとして、Brimaga は適格販売により収入を得ています。価格・在庫は Amazon 上の表示をご確認ください。

ブリモのひとこと

同じ数字でも、測る窓を変えると順位が変わるんだ。両方見てね!

Brimaga マスコットのブリモ

注記: 価格・在庫は記事公開時点の情報です。相場スコアは当サイト独自の指標であり、購入を推奨するものではありません。リンクにはアフィリエイト広告を含みます。

RELATED

関連記事

ニュース一覧 →