レゴ公式ストア(日本)には「まもなく販売終了のレゴセット」というページがある。廃番が近いセットを公式自身がまとめてくれる、コレクターにとっては一番ありがたい棚だ。2026年7月20日にこのページを開くと、そこには 44件 が並んでいた。
ところが同じ日、その44件には入っていない葛飾北斎<神奈川沖浪裏>の商品ページを開くと「まもなく廃番」と表示され、しかも在庫切れになっていた。ギザの大ピラミッドは「製造終了」。グリンゴッツ銀行<コレクターズエディション>も「製造終了」。どれも「まもなく販売終了」の一覧には載っていない。
つまり、あの棚を見ているだけでは足りない。今回は公式の一覧44件と、一覧に出ていない11セットの商品ページを個別に開いて実測し、レゴの廃番が実際にはどう進むのかを整理した。
本記事の価格・在庫・バッジ表示はすべて 2026年7月20日 にレゴ公式ストア(日本)で確認したものです。廃番の進行やページ表示は日々変わるため、購入前に公式ページで最新の状態をご確認ください。ピース数も同ストアの商品ページ表記に合わせています(Brimagaのカタログ値とは数個ずれることがあります)。
まず事実:公式が「見せている」のは44件
「まもなく販売終了のレゴセット」ページを最後まで読み込むと、ページ自身が「44件の製品」と表示する。中身を1件ずつ拾うと、こんな顔ぶれだった(一部)。
| セット | 名称 | 価格 | 公式バッジ |
|---|---|---|---|
| 21042 | 自由の女神 | ¥14,980 | まもなく廃番 |
| 76328 | バットマン:名作TVシリーズ バットモービル | ¥21,980 | まもなく廃番 |
| 42670 | ハートレイクシティのマンションとお店 | ¥24,980 | まもなく廃番 |
| 21348 | ダンジョンズ&ドラゴンズ:レッド・ドラゴンの伝説 | ¥46,980 | 限定 |
44件のうち「マリオカート」を名乗るセットが6件、ほかにニンジャゴー・フレンズ・ディズニー系がまとまって入っている。子ども向けテーマの年次入れ替えがかなりの割合を占めていて、いわゆる大物の18+ディスプレイセットは自由の女神やD&Dなど数えるほどしかない。
これだけ見ると「今年の夏の廃番はおとなしいな」という印象になる。実際はまったくそうではなかった。
実測して分かった、廃番の4段階
44件に入っていないセットの商品ページを個別に開いていくと、公式の表示は1種類ではないことが分かる。整理すると4段階あった。
| 段階 | 公式ページの表示 | 「まもなく販売終了」一覧 | 買えるか |
|---|---|---|---|
| ① 通常販売 | バッジなし | 載らない | 買える |
| ② 終了予告 | まもなく廃番 + 在庫あり | 載る | 買える |
| ③ 在庫切れ | まもなく廃番 + ただいま在庫切れ | 載らない | 買えない |
| ④ 製造終了 | 製造終了 | 載らない | 買えない |
なお「限定」バッジは、この4段階とは別軸の表示だ。①にも④にも現れる(後述するジョーズは「限定」のまま④に至っている)。さらに②の段階でも、「まもなく廃番」が付かず「限定」表示だけで一覧に載っているセットが44件中2件あった。バッジは終了時期の手がかりにならない、というのが今回の実測から一貫して出てくる結論である。
問題は③と④である。在庫が切れると、そのセットは「まもなく販売終了」の一覧から落ちる。 公式の棚は「今まだ買えるもの」を並べる場所なので挙動としては自然だが、コレクター側から見ると、終わりが近いものほど終わりが近づくと見えなくなる、という逆転が起きる。

④の実例:気づいたときには終わっていた6セット
7月20日時点で「製造終了」と表示されていたものを、実測できた範囲で挙げる。
| セット | 名称 | 公式ページの状態 |
|---|---|---|
| 21058 | ギザの大ピラミッド | まもなく廃番 + 製造終了 |
| 10280 | フラワーブーケ | まもなく廃番 + 製造終了 |
| 76417 | グリンゴッツ銀行<コレクターズエディション> | 限定 + まもなく廃番 + 製造終了 |
| 42143 | Ferrari Daytona SP3 | まもなく廃番 + 製造終了 |
| 10327 | Dune アトレイデス家のロイヤル・オーニソプター | まもなく廃番 + 製造終了 |
| 21350 | ジョーズ | 限定 + 製造終了 |
グリンゴッツ銀行は4,801ピース、Ferrari Daytona SP3 は3,778ピースの大型セットだ。そしてジョーズには、7月20日時点でも「まもなく廃番」が付いていなかった。バッジの有無は、終了の予告として当てにならない。

③の実例:バッジは出ているのに、棚にいない
葛飾北斎<富嶽三十六景 神奈川沖浪裏>31208(¥15,880)と、AT-TE ウォーカー 75337(¥21,980)の2点は、「まもなく廃番」バッジが出たまま「ただいま在庫切れ」になっていた。価格表示が残っているので再入荷の可能性はあるが、廃番間際の再入荷は読めない。
北斎については、レゴ(R)アート クリムト<接吻>の記事でも、名画路線が大型化する一方で初期作の退場が進んでいることに触れている。

「まもなく廃番」が出ていないことは安全を意味しない(ジョーズの例)。逆にバッジが出ているのに一覧で見つからないこともある(北斎・AT-TEの例)。公式ストアの状態は、個別の商品ページを開かないと正確には分からない。
終わる前に気づく方法はあるのか
ここでBricksetのデータが登場する。Bricksetは各セットに exitDate(LEGO.comでの販売終了予定日)という値を持っていて、過去日だけでなく未来の予定日が入る。Brimagaは2026年7月から、この値を毎日カタログ全体ぶん取り込んでいる。
7月20日時点で、exitDate が「2026年7月31日」になっているセットは 124件 あった。これを公式の44件と突き合わせると、こうなる。
| 突合 | 件数 |
|---|---|
| 公式「まもなく販売終了」の掲載数 | 44件 |
| うち Brimaga のカタログと照合できた数 | 42件(Nikeスニーカー2点はセット扱いでないため対象外) |
| うち Brickset の予定日が「2026年7月31日」だった数 | 41件 |
| 予定日が異なった数 | 1件(71439 レゴ(R)マリオ と ぼうけん!=12月31日) |
照合できた42件のうち41件が一致した(42件の内訳は「まもなく廃番」バッジが40件、「限定」表示が2件)。公式が一覧に出しているセットは、ほぼそのままBricksetの予定日と重なっている。
ただしこれを「Bricksetが公式を予測できている」と読むのは早い。Bricksetの exitDate はそもそも LEGO.com での販売終了予定日として集められている値なので、公式の在庫・掲載状況を上流とする同じ情報の別表示である可能性がある。その場合、両者が一致するのは当然で、精度の証明にはならない。加えて今回は7月20日という単一時点のスナップショットしかなく、「exitDateのほうが先に立っていた」ことを示すデータは取れていない。先行指標として使えるかどうかは、今後の継続観測で検証する必要がある。
そのうえで実用的に効くのは、124件のうち公式一覧に出ているのは41件だけ、という差のほうだ。残り83件には、次の4つが混ざっている。
- まだ①の段階(通常販売)で、これから一覧に載る
- すでに③④に進み、一覧から落ちた
- そもそも日本のレゴ公式ストアでは扱っていない(日本の品揃えは全世界カタログの一部)
- Bricksetの見積りが単純に外れている
今回は「83件」側から人気の高い11セットを選んで個別に確認した。内訳はこうなった。
- ① 通常販売のまま:3件(エッフェル塔・オプティマスプライム・ゲームセンターマシン パックマン)
- ③ 在庫切れ:2件(北斎・AT-TE)
- ④ 製造終了:6件(ピラミッド・フラワーブーケ・グリンゴッツ・Ferrari・Dune・ジョーズ)
この11件は人気の高い大型セットを優先して選んだ偏りのあるサンプルで、83件全体の比率ではありません。人気セットほど在庫が早く尽きるため、④の比率は実際より高く出ているはずです。
それでも「7月31日に廃番」とは書けない
Bricksetの exitDate は、日付としては粗い。分布は極端に偏っている。
| 予定日 | 件数 |
|---|---|
| 2026年12月31日 | 340件 |
| 2027年12月31日 | 290件 |
| 2026年7月31日 | 124件 |
| 2028年12月31日 | 93件 |
| 2027年7月31日 | 92件 |
対して「2026年6月21日」「2026年5月16日」のような細かい日付も少数ながら存在する。つまり 7月31日という値の多くは半期の区切りに丸められた見積りであって、「その日に販売終了する」という意味ではない。実際、124件のうち少なくとも6件は、7月20日の時点ですでに製造終了になっていた。
だから本記事は「7月31日に124セットが一斉に消える」とは書かない。正確には、Bricksetが2026年前半期いっぱいで終わると見ているセットが124件あり、公式が一覧に出していた42件は、その41件までがこの124件の中に収まっていた、である。逆に124件の側から見れば、公式一覧に出ているのは41件(約3割)にすぎない。
Brimagaが以前使っていた「最終販売確認日」(dateLastAvailable)は、文字どおり最後に販売が確認された日であって、現行品でも毎日更新される値だった。これでは廃番を事後にしか検知できない。未来の予定日が入る exitDate に切り替えたことで、初めて「予告」として扱えるようになった。
テーマによって、公式一覧での見え方がまったく違う
124件をテーマ別に分け、そのうち何件が公式の「まもなく販売終了」一覧に出ていたかを数えると、テーマごとにかなりの差があった。
| テーマ | 7/31予定 | うち公式一覧に掲載 |
|---|---|---|
| スーパーマリオ | 13 | 10 |
| フレンズ | 6 | 4 |
| クリエイター 3-in-1 | 8 | 3 |
| アイコンズ | 9 | 3 |
| ニンジャゴー | 6 | 2 |
| ハリー・ポッター | 7 | 2 |
| スター・ウォーズ | 13 | 2 |
| テクニック | 9 | 1 |
※上位8テーマのみ。合計71件・掲載27件で、残り53件はその他のテーマ。
読み取れるのは両端だ。スーパーマリオは13件中10件が公式一覧に出ていたのに対し、テクニックは9件中1件、スター・ウォーズは13件中2件しかない。 中間の6テーマは分母が6〜9件と小さく、1件動けば順位が入れ替わるので、順序を細かく読む意味はない。
この差の原因は、今回のデータでは特定できません。「レゴが予告を出さなかった」だけでなく、前述の4つの可能性 ── すでに在庫が尽きて一覧から落ちた/日本のストアで扱っていない/Bricksetの見積りが外れている ── がすべて混ざります。とくに人気テーマほど在庫が早く尽きるため、「一覧に出ていない」ことと「予告されなかった」ことは同じではありません。
原因はどうあれ、使う側にとっての結論は変わらない。スター・ウォーズやテクニックを追っているなら、公式の「まもなく販売終了」一覧はあまり役に立たない。 実際、マリオカートの小型セット6件は全て一覧に出ていた一方で、ジョーズは「まもなく廃番」が付かないまま製造終了していた ── というのが7月20日に観測された現実だった。
いま「まだ買える」大物
上の①に相当する、7月20日時点で公式ストアに在庫があったセット。いずれもBricksetの予定日は2026年7月31日で、公式の「まもなく販売終了」一覧にはまだ載っていない。
| セット | 名称 | 価格(7/20時点) | ピース | 公式の状態 |
|---|---|---|---|---|
| 10307 | エッフェル塔 | ¥87,980 | 10,001 | 在庫あり・限定・購入上限2 |
| 10323 | ゲームセンターマシン パックマン | ¥37,980 | 2,651 | 在庫あり・限定・購入上限2 |
| 10302 | オプティマスプライム | ¥25,480 | 1,508 | 在庫あり・限定・購入上限2 |

あわせて、Bricksetの予定日が7月31日でありながら公式一覧に出ていない、Bricksetで「欲しい」に登録している人が多いセットも挙げておく。状態は今回個別確認していないので、公式ページで直接確かめてほしい。
| セット | 名称 | ピース | 定価(米国) |
|---|---|---|---|
| 75325 | マンダロリアンのN-1スターファイター | 412 | $59.99 |
| 75356 | エグゼキューター級スーパー・スター・デストロイヤー | 630 | $69.99 |
| 75347 | TIEボマー | 625 | $64.99 |
| 77092 | デクの樹サマ 2-in-1 | 2,500 | $299.99 |
| 76435 | ホグワーツ城:大広間 | 1,732 | $199.99 |
※ピース数・米国定価はBricksetの値。日本での取り扱いや円価格は別途、公式ページでご確認ください。
なお これらの円価格はすべて「2026年7月20日時点の現在価格」であり、発売時の価格ではない。 レゴジャパンは2026年6月1日に価格改定を実施しているため、いま駆け込みで買う場合の取得コストが以前より高くなっている点は踏まえておきたい。
コレクター視点:廃番情報で損しないための3つの実務
1. 公式の「まもなく販売終了」ページは、確認先であって発見先ではない。 あの44件は「まだ買えるもの」のリストだ。本当に危ないセットは在庫が切れた時点で一覧から落ちるので、あそこを定期巡回していても③④は永久に見えない。狙っているセットがあるなら、一覧ではなく個別の商品ページをブックマークして直接見にいくのが確実だ。とくにスター・ウォーズやテクニック、アイコンズを追っているなら、一覧は当てにしないほうがいい。
2. バッジではなく「在庫表示」を見る。 今回いちばん意外だったのは、ジョーズが「限定」表示のまま製造終了していたことだった。「まもなく廃番」が付くかどうかはセットによってばらつきがある。一方で「ただいま在庫切れ」「製造終了」は状態をそのまま反映する。判断材料としては、バッジより在庫表示のほうが信頼できる。

3. 公式が終わっても、日本で終わったわけではない。 「製造終了」はレゴ公式ストアでの話であって、国内の正規流通(レゴ認定販売店・量販店・各ECの正規ルート)には在庫が残っていることが珍しくない。公式で買えなくなってから実際に品薄になるまでには、たいていタイムラグがある。慌てて二次流通のプレミア価格に飛びつく前に、まず正規ルートの在庫を確認するのが、日本のコレクターにとっては一番効く。Brimagaの廃盤間近のセット一覧では、Bricksetのexit dateをもとに終了予定が近い順に並べ、国内実勢価格と合わせて毎日更新している。さらに手前の段階まで見たいなら廃番予定ありの一覧で、公式の「まもなく販売終了」に載る前のセットも追える(予定日は半期に丸められた見積りが多いので、月単位の目安として見てほしい)。
そして、廃番=高騰ではない。 タワーブリッジの記事で扱った初代タワーブリッジ10214のように、生産期間が長く、希少パーツやミニフィグを含まず、売れ行きが穏やかだったセットは、廃番後も大きくは動かなかった。「終わるから買う」ではなく「終わったあとに欲しくなるか」で決めるほうが、結果的に損をしない。
まとめ
- レゴ公式ストア(日本)の「まもなく販売終了」は、2026年7月20日時点で 44件
- ただしこれは「まだ在庫があるもの」だけで、在庫が切れると一覧から落ちる
- 実測すると廃番には4段階あり、一覧に出るのは②の段階だけ。「限定」バッジは段階と無関係
- Bricksetの予定日が7月31日のセットは124件。公式一覧に出ていたのは、そのうち41件だけ
- テーマによって一覧での見え方が大きく違う(スーパーマリオは13件中10件が掲載、テクニックは9件中1件のみ)
- 実務としては、バッジではなく在庫表示を見る。そして公式で終わっても国内正規流通は残っていることが多い
※LEGO(R)、レゴ(R)はレゴグループの商標です。本記事はレゴグループとは関係のない非公式の情報記事です。文中の STAR WARS、ハリー・ポッター、Ferrari、Dune、ジョーズ、スーパーマリオ、ダンジョンズ&ドラゴンズ等の名称および製品画像の権利は、それぞれの権利者に帰属します。
























