※アイキャッチ画像はAIによる生成イメージです。本文中のセット画像は公式画像です。
7月5日(日)に開催されたF1第9戦・英国グランプリ(シルバーストン・サーキット)。レースはシャルル・ルクレールがシルバーストン初優勝を飾りましたが、この週末、レース本編と並んで大きな話題をさらったのがレース前のドライバーズパレードでした。
現役F1ドライバー22人が乗り込んだのは、F1マシンではなく、1台2万8,000ピース超のレゴ(R)ブロックでできた、実際に走るミニカー。そしてこのパレードは、9台がコース脇の砂利(グラベル)に次々とハマる"ほのぼの大渋滞"として世界中に拡散されることになります。
ターン1で何が起きたのか
パレードはレース前の現地時間13時にスタート。各ドライバーが自分のチームカラーのミニカーで隊列走行……のはずが、複数のドライバーがパレードを非公式レースとして扱い、1コーナーでイン側をショートカットしようとします。
その企ては数メートルで終わりました。ミニカーは最高でも時速25km。芝とグラベルを越えられるパワーはなく、合計9台のミニカーが砂利の上で立ち往生。自らもミニカーで隊列に加わっていたFIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長まで、この"渋滞"に巻き込まれました。ドライバーたちは笑いながら車を降り、互いのマシンを押したり掘り出したりする羽目に。
いちばん潔かったのはカルロス・サインツ。ウィリアムズ仕様の自分のミニカーをその場に乗り捨て、元チームメイトのランド・ノリスのマシンの側面に飛び乗って"ヒッチハイク"で残りの周回を済ませました。なお海外メディアによると、この非公式レースを"制した"のは最終コーナーを大胆にカットしたフェルナンド・アロンソ。SNSでは「レゴ大会を正式種目に」と大会化を望む声も上がっています。
実はこのパレード、事前にはドライバーから慎重な声も出ていました。ルイス・ハミルトンは安全面への懸念から参加に消極的と報じられ、マックス・フェルスタッペンも「F1ドライバーの見せ方として適切なのか」と疑問を呈していたほど。ところが蓋を開けてみれば、グラベルの救出劇まで含めて週末屈指の名場面になりました。
22台のミニカーは「本物」だった
今回のミニカーは、見た目のインパクト以上に中身が本格的です。LEGOグループの発表によると、製作したのはチェコ・クラドノ工場のデザイナー・エンジニアら20人のチーム。開発と組み立てにのべ6,400時間をかけています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 台数 | 22台(全ドライバーに1台ずつ・今回が初) |
| 使用ブロック | 1台あたり28,000ピース超 |
| 重量 | 約280kg(うちブロック部分が約65kg) |
| 最高速度 | 約25km/h |
| 足回り | ゴーカート用ホイール+電動モーター |
| デザイン | 2026年シーズン各チームのカラーリングとドライバーナンバーを再現 |
「1人1台」は今回が初めて。前回(2025年マイアミGP)は2人乗り10台で、ドライバーはチームメイトと相乗りでした。「ファンもドライバーも、もっと見たいと言ってくれた」(LEGOグループ チーフプロダクト&マーケティングオフィサーのジュリア・ゴールディン氏)という反響を受けての22台体制です。
前例はマイアミ2025 ―― 「クルマは壊される」という学び
レゴ製の実走マシンがF1に登場したのは、2025年5月のマイアミGPが最初でした。このときは実物大に近い2人乗りマシンを10台(各チーム1台)用意。1台あたり約40万ピース・重量約1,000kgという巨大さで、26人のチームがのべ22,000時間かけて製作しています。
| マイアミ2025 | シルバーストン2026 | |
|---|---|---|
| 台数 | 10台(チームごと・2人乗り) | 22台(ドライバーごと・1人乗り) |
| ピース数/台 | 約40万 | 2万8,000超 |
| 重量/台 | 約1,000kg | 約280kg |
| 最高速度 | 約20km/h | 約25km/h |
| 結末 | ドライバー同士が"レース"を始め接触多発、コースにブロックが散乱 | 9台がグラベルで立ち往生(FIA会長も巻き込まれる) |
マイアミでもドライバーたちは本気の追い抜きとぶつけ合いを繰り広げ、コースにはブロックの破片が散乱しました。LEGOのシニアデザイナー、ジョナサン・ジュリオン氏はESPNの取材に「マイアミでは多くの教訓を得た。クルマは壊されるものだ」と語っています。今回のミニカーにバンパーやロールフープが備わっていたのは、この教訓の反映です。
なぜF1はレゴを走らせるのか
この規格外のコラボレーションの土台は、2024年9月に発表されたLEGOグループとF1のマルチイヤー・パートナーシップです。2025年からその展開は一気に広がりました。
- マイアミGPの実物大パレードカー10台(2025年5月)
- 英国GPの表彰トロフィーをレゴ製に(2025年7月)
- ラスベガスGPでは約42万ピース(41万8,000超)の実走可能なレゴ製キャデラックがクールダウンカーとして表彰台へトップ3を送迎(2025年11月)
- そして今回、全ドライバー分の実走ミニカー22台
F1側の狙いは、家族層・若年層という新しいファン層の獲得。一方のレゴ側も、スピードチャンピオンズの「F1コレクション」として全10チームのマシンを製品化するなど、大人のモータースポーツファンを取り込む商品展開を進めています。パレードという世界最大級の"ショールーム"でブロックのクルマが走る、両者の狙いが噛み合った企画です。

日本で買える「F1×レゴ」
パレードのミニカーは非売品ですが、机の上に置けるF1レゴは日本でも流通しています(販路により在庫状況は異なります)。brimagaのデータベースに登録がある主なセットと、国内ECの現在最安値(本稿執筆時点・brimaga調べ)はこちら。
| セット | 番号 | 国内最安値* | 内容 |
|---|---|---|---|
| アウディ Revolut F1 チーム R26 | 77259 | ¥4,030〜 | 2026年からF1に新規参入したアウディのマシン。参入初年度の1台 |
| F1アカデミー レースカー | 77258 | ¥4,060〜 | 女性ドライバー育成シリーズ「F1アカデミー」のマシン |
| フェラーリ SF-24 | 77242 | ¥3,754〜 | F1コレクション第1弾のフェラーリ |
| マクラーレン MCL38 | 77251 | 追跡中 | 2024年コンストラクターズ王者マシンの再現 |
| レッドブル RB20 | 77243 | 追跡中 | 同じく第1弾のレッドブル |
| APXGP チームレースカー | 77252 | 追跡中 | ブラッド・ピット主演映画『F1』の架空チームAPXGP仕様 |
*「追跡中」はbrimagaが追跡する国内ECに現在オファー登録がないセット。価格は変動します。

このほか、ブラインドボックス式の「F1 コレクタブルレースカー」(71049・全12種=10チーム+F1+F1アカデミー)も展開されています。各セットの現在価格や相場スコアは、それぞれの製品ページで確認できます。

コレクター視点:F1レゴは「その年のグリッドの記録」
相場を追うサイトとして、F1コラボの面白さは「毎年リバリーが変わる」ことにあると考えています。
F1のマシンとカラーリングは毎シーズン更新されるため、たとえば2024年型のSF-24やRB20を再現したセットは、時間が経つほど「あの年のグリッド」を留める記録としての性格を帯びていきます。実際、2022年発売のメルセデスAMG F1 W12とプロジェクトワンの2台セット(76909)は2024年末に生産終了し、海外の新品相場は定価($34.99)を約1割上回る水準で推移しているとされます(BrickEconomy調べ・2026年7月時点)。急騰ではありませんが、「廃盤後は定価より下がりにくい」動きが見えるシリーズです(もちろん全てのセットが値上がりするわけではありません)。
その意味で注目しているのは、2026年の新規参入チーム・アウディの初年度マシン(77259)。「参入1年目のマシン」という記念性はあとから作れないものです。また映画『F1』のAPXGP(77252)も、実在チームではない"映画の記録"という珍しい立ち位置のセットです。
今回のパレードを見る限り、F1とレゴのコラボレーションはまだ続きそうです。気になるセットはデータベースで相場スコアとあわせてチェックしてみてください。廃盤の動きが出てきたら、相場の見方ガイドも参考に。
出典: LEGOグループ公式発表、Formula 1公式、ESPN、motorsport.com、RaceFans ほか(記事末尾のソース一覧参照)。仕様数値は各公式発表に基づく2026年7月時点の情報です。










